再起動の女川原発「臨界」到達…不具合原因のナット締め付け不足に知事「凡ミスで見過ごせない」
東北電力は13日、再稼働後に機器の不具合で停止していた女川原子力発電所(宮城県女川町、石巻市)2号機の原子炉を再び起動し、核分裂反応が安定して続く「臨界」に到達したと発表した。週内にも発電を始め、当初の予定通り12月頃の営業運転開始を目指す。
東北電によると、同日午前9時に起動、午前11時55分に臨界に達した。発電開始後に原子炉をもう一度停止させ、機器や設備を調べ、問題がなければ営業運転に移行する。
2号機は先月29日、13年7か月ぶりに稼働したが、発電開始予定の今月3日、原子炉内でトラブルが発生し、4日に原子炉を停止した。中性子の計測装置の通り道となる管を固定するナットの締め付け不足が原因と判明、再発防止策をとった。村井嘉浩知事は13日の定例記者会見で、今回のトラブルについて「非常に遺憾だ。事故があれば大変なことになるので、凡ミスで見過ごすことはできない」と非難した。
2号機は、東日本大震災後、被災地に立地する原発として初めて再稼働した。震災で事故が起きた東京電力福島第一原発と同じ沸騰水型軽水炉(BWR)で、同型の再稼働も事故後初めてだった。