矢井田瞳 15周年記念「TIME CLIP」は「今の私のベストです」
デビュー15周年を「チャレンジイヤー」と銘打ち、キャリア初となる弾き語りツアーに挑戦するなど"チャレンジ"を続けてきた矢井田瞳。そのヤイコが今月、自身10枚目となるオリジナル・フルアルバム「TIME CLIP」をリリースした。「この瞬間を音楽に変換して留めておきたいと思った思いや時間をクリップして」作ったという人間味のある恋愛ソングや人生ソング。出逢ったミュージシャンとの「つながり」が曲に彩りを加えている。4月から東名阪ライブツアーを行う。大阪は4月22日、Zepp Nambaで開催。「15周年イヤーの締めくくりなので、『TIME CLIP』の曲を軸にこれまでの15年の音楽人生を振り返ったときにキーとなってきた曲もやりたい」。大阪に帰ってきたヤイコに新作やライブについて聞いた。
ヤイコに聞く~新作「TIME CLIP」
──ついについにリリースですね。率直に今、どんな感じですか。 迷いなく「今の私のベストです!」って出せる感じです。そういうのって意外とデビューして15年間で初めてかもしれないです。今回のアルバムは自分でも潔さを感じるっていうか、パーン! と出せた感じ。 ──構想含めてどれくらいかかりました? 軽く2年半くらいかけてじっくりたっぷり作らせてもらいました。そのスパン、私の中ではよい感じでした。 ──アルバムタイトルを「TIME CLIP」にされたのは? どんな意味やコンセプトが? 皆さんが大切な資料をとめたりまとめたり、写真とかをクリップでとめるみたいな感覚で、私はこの2~3年の間に、この瞬間を音楽に変換して留めておきたいと思った思いや時間をクリップしていきました。そんなアルバムだなと思ったので「TIME CLIP」ですね。 ──さっとすぐに思いついたのですか? 1曲目の「Circle」のタイトルとか「円」とか「TIME」とか「WAVE」とか……大きくて強い言葉がいいなと思って、そういうのをいっぱい並べていく中で、「TIME」と「CLIP」を組み合わせたらピンときた感じです。時間って平等で、みんなに同じように流れているけど、それをどう使うかどう過ごすか、過去のことをどう記憶していくかで人ってぜんぜん変わるねんなっていうのを、今更ながら最近よく思って。最初は「TIME」だけでもいいかなと思ったんですけど、「TIME」誌を思い出すし、事件っぽい印象があると思ったので後ろに「CLIP」を付けました。 ──ヤイコさんといえば、恋愛、失恋?(笑)ソング! といわれますが、新作には生き方や人生応援ソングみたいな曲もたくさんあるなと思いました。 そうですね。これまでの作品と比べると、恋愛ソングというよりは人生観を歌った曲が多いですね。自然とそうなった感じ。(15周年ということで初めて)弾き語りツアーをしていく中で、自分の過去、15年前の自分の恋してた気持ちを歌ったりするのも悪くはないけど、やっぱりこしょばゆい部分もあって……今の私が自然と歌えるラブソングや人生ソングが歌いたいというか、生きてきた過程の中で起きたことや思った気持ち、それが書きたいなと。