矢井田瞳 15周年記念「TIME CLIP」は「今の私のベストです」
よく人との出会いに救われたとおっしゃってましたが
──歌詞を見ていると、やはりヤイコさんだけに、“きれいだけじゃない”っていう、これは書けないっていうところも出ているというか。 そう。わりと私は整えがちな人間なんですけど、その脳みそを置いといて今回は最初のファーストインプレッションだったり、出てきたときのでこぼこ、気持ちのでこぼこ……闇とか弱さとかも含めてそのままちゃんと形にすることでもっとより多くの外の世界とつながれるんじゃないかなって思ったんですよね。毎日めっちゃハッピーみたいな人、ほとんどいないと思うんで。 ──なにか“人間ぽい”っていうか、そのまんまの人間が出ているって感じがします。 あ、嬉しいです! 目指してたとこなんで。言いたいけど言わないこととか。生まれた感情やけど、“こんないい年してこんな感情恥ずかしい”と思って片付けちゃう気持ちだったりも吐露していく感じでしたね。 ──そして、ヤイコさんの変態性(笑)も出ていると? あはははは。歌詞もサウンドにも。曲を書いてるときっていっぱい選択肢が出てきて、どっちにしようかなっていうのがあるんですけど、自分は普通だと思って生きてきましたけど、たまにミュージシャンから「瞳ちゃんはこういうところが変だよね、変態だよ」って言われたり(笑)ってところを包み隠さず出しちゃいました。ポップに届くようなものに仕上げることは心がけましたけど。変態性は……「東京タワーと蟻」「世界と私の間」とかが特にそうでしょうか(笑) ──よく人との出会いに救われたとおっしゃってましたが、ミュージシャンの方とのコラボとか1曲1曲それぞれ、人とのつながりがありますね。デビュー前からのお付き合いのバンド「water」さん(「YOUR SONG」の演奏に参加)とか。 自分でも気づかなかったんですけど、「つながる」ってキーワードがどの曲にも隠れている気がして。実際に逢えなくても友達のことを思う時間とか、人とつながる瞬間がすごく人生に豊かさを足してくれてるのかななんて37歳は思います、あはははは。