「戒厳令の黒幕は大統領の飲み友達」「軍幹部は高校の後輩が多数」 “友達ばかりの作戦”は何を示しているのか
「ごく一部の仲間で引き起こした」
さらに大統領は、警察をコントロールし、国防相と共に戒厳令進言の権限を有する行政安全相にも、やはり高校の後輩・李祥敏(イサンミン)氏を据えていた(8日に辞任)。 「コリア・レポート」編集長の辺真一氏が言う。 「文民出身の尹大統領には軍のことは分からない。だから今回は金氏が全権をもって立案し、作戦を進めたとみられます。情報が漏れないよう、二人は“身内”を軸にしたのです。本来ならば戒厳令の司令官は制服組トップの合同参謀本部議長が務めるところ、今回は陸軍参謀総長に任せている。このことからも、軍全体で決起したわけではなく、ごく一部の仲間で引き起こしたことが分かります」
“恥ずかしい卒業生”と非難
多くのOBが“内乱”に名を連ね、図らずも悪名が轟いてしまった格好の名門・沖岩高校では、 「学校には苦情の電話が殺到し、理事長は5日、SNSで『(大統領らを)“恥ずかしい卒業生”に100万回選定したい』などと投稿、怒りをあらわにしています。また生徒への嫌がらせが相次ぎ、学校は当面、生徒の私服通学を認める措置を取っています」(現地記者) とのことで、 「9日には、ヘリコプターで国会に向かい、進入するよう指示された陸軍特殊任務団の団長が『隊員は前国防相に利用された』と、国防省前で国民に謝罪する一幕もありました」(同) “お友達クーデター”は、あえなく不発に終わってしまったのだ。 関連記事【経歴詐称に株価操作への関与… 韓国大統領の“美魔女”夫人を守ろうとした尹大統領 「懲りない夫人を“放し飼い”」】では、今回の戒厳令のきっかけの一つである、尹大統領の“美魔女”夫人が起こした数々のスキャンダルについて、改めて紹介している。 「週刊新潮」2024年12月19日号 掲載
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