シャープに1千億円の出資案 ソフトバンク、堺工場巡り
ソフトバンクがシャープに対して、1千億円規模の出資を行う案が浮上していることが22日、分かった。ソフトバンクはAI向けデータセンターの構築を目指してシャープ堺工場の一部を取得する交渉をしており、その過程で出資案が持ち上がった。ただ、出資交渉は難航しており、実現性は不透明だ。 出資はシャープの資本増強につながる一方で、ソフトバンクは利点が少ないとして出資を前提とした工場取得には難色を示している。シャープは「コメントは差し控える」としている。 ソフトバンクは6月、シャープが堺市に保有する大型液晶パネル工場の約6割に当たる土地と建物などを取得するための独占交渉権を得たと発表。堺工場の設備を活用してデータセンターを構築したい考えで、パネル工場の生産は今月21日に停止した。 出資額や取得価格を巡って両社の主張には隔たりがある模様で、ソフトバンクが目指していた今秋のデータセンター着工は難しい情勢だ。ソフトバンクの宮川潤一社長は6日の決算会見で「(取得交渉を)ギブアップするかもしれない」と述べていた。