「私にとってあの子は特別」憎しみを向けられても…中野たむが語る“闇落ちレスラー”上谷沙弥への本音「ダンプ松本じゃなくて、長与千種にならなきゃ」
「中野たむは自然体でそのまま、かわいい(笑)」
現状とは真逆の未来を夢想するほど、中野はプロレスにすべてを捧げている。だからこそ、「試合ができないほうがしんどい」のだという。 「オフでも私は試合のこと考えちゃうから。5年くらい気が休まらないですね。ずっと張り詰めた状態。その反動はありますね。考えたくないと思っても、思考がドーッと流れてきて、ずっと記者会見が開かれている感じ。いろんな人の悪口も入ってくるし、脳内でいろんな言い訳するし……。欠場するとそれが続くのでしんどい。考えたくない。それがグルグル回っているんですよ。起きている間、ずっとプロレスのこと考えている。でも、プロレスのこと考えていないと、トップには行けないですよね。これは宿命です。結局、どれだけ考えられたかが大事だと思うので」 中野は不思議な存在だ。マイクを握れば饒舌で、言葉も巧みだが、交友関係は広くない。遠征先では「ホテルに入ったらパジャマに着替えてUber Eats」が日常だと明かす。 「喋るのは好きなんです。意見交換したり、プロレスの話も好き。でも基本は1人が好き。小学校や中学校では親友がいたし、特定の誰かと仲がいいことはありますけど、何人かのグループはダメ。みんなでディズニーとかは地獄、無理ですね(笑)。自分の好きにしたい。自分のタイミングで好きなのに乗りたい。誰かに合わせるというのができない。お土産見るタイミングも。究極のマイペース。行くんなら1人ですね。行ったことないですけど」 すこし間をおいて、自分の性格について自己分析する。 「人に対して、感情が大きいからこそ、1人でいたいと思うのかも。人や物に執着してしまうから。親友ができてもその子だけ。うまくいかないのがわかっているから、そこまで距離を詰めない。大きすぎる感情の持ち主。普通に生きていたら変人扱いですよね(笑)。プロレスに出逢ってよかった。大き過ぎる感情も、リングでは武器になる。やっぱりプロレスってすごいですよ」 今の中野たむには自信がみなぎっている。「慢心かもしれないけど、私が私であることに価値がある。中野たむが中野たむであることに」と前置きして、こんなことを言い残した。 「私生活から中野たむなので、気を付けていることも、隠していることもない。私はずっと自然体でそのまま、かわいい(笑)。『私、ブスですか? 』ってよく聞くんです。かわいいよって言ってほしいからですよ。ブスじゃないよ、かわいいよって。SNSでも、見た人が画面に向かってそう言ってくれたらうれしい。そうやって充電しているんです(笑)」
(「プロレス写真記者の眼」原悦生 = 文)
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