つまようじ産業復活目指せ 大阪・河内長野市が東大先端研と連携協定
大阪府河内長野市は3日、東京大学先端科学技術研究センターと連携協定を締結した。同センターは各地の自治体と連携して社会課題の解決を目指す取り組みを進めており、同市の地場産業のつまようじに関する産業創出支援などを行っていく。 同市はつまようじ製造が盛んで、最盛期の昭和40年代には国内シェア90%以上を誇っていた。しかし、次第に安価な中国産の輸入が主流となり、市によると、つまようじの製造会社はほとんどが姿を消したという。 同センターはこれまで30カ所以上の自治体と協定を結んでおり、今回は同センターの三村秀和教授(50)が同市出身という縁で、協力が決まった。 三村教授は超精密加工、X線光学が専門。協定を前に国産つまようじと外国産の違いを調べたり、エックス線を使い物質の構造を解析する大型放射光施設「スプリング8」(兵庫県佐用町)でつまようじを計測したりして「良いつまようじ」を調べている。「つまようじは誰でも知っているが、誰も研究していない。木材研究でもあり面白い」と話す。 つまようじの製造機械を手がけるメーカーも国内にないといい、三村教授は「(現在のつまようじ製造は)40~50年前の装置を使っているので、現在の技術を使えばもっといいものができる。3年後くらいに新たな装置ができれば」という。今年は地元のだんじりに参加したという三村教授は「(地元に)何かできたらな、と思う。ビジネスには厳しいかもしれないが、町おこしにつながれば」と語った。 西野修平市長は「つまようじも東大先端研もとがっている。とがったことで内外から注目を集めて活力ある地域をつくりたい」と述べた。