【美浦便り】24歳の誕生日を迎えた原優介騎手が“下方修正”を新たな目標に挙げた理由とは…
決意の“下方修正”です。 先週から函館開催がスタート。現地滞在のジョッキーの数に比例して、美浦トレセンで見かけるジョッキーの数も少なくなりました。そんな中「おはようございます!」と、なじみの声が。主は原優介騎手でした。 多くの馬が追い切りを水曜に終え、翌日の木曜はジョッキーに騎乗想定馬の感触を取材します。同騎手は毎週多くの記者に囲まれる騎手の1人。いつものように1頭1頭、丁寧に手応えを説明してくれましたが、この日はもう一つ聞きたい質問がありました。 「24歳になって新たな目標は?」。6月10日が同騎手の24歳の誕生日。「ありがとうございます!」と笑顔を見せた後、真剣な表情で思いを口にしてくれました。 「今年は55勝を目標にしていましたが、現実的に40勝を目指したいと思っています」 一瞬、弱気な下方修正? に聞こえましたが、そこには真意がありました。 「ありがたいことに確実に馬質はよくなっていますし、今までとは乗り方を変えていかないといけないと思っています。ただ馬を動かすだけでは駄目ですし、先日も三浦騎手に手綱の抱え方を教わって、今週の追い切りで実践して大きな違いを感じました。乗り方ひとつで結果は変わってくると思いますし、今の僕に求められているのは1着だけだと思うので、その期待に応えたいと思います」 昨年はキャリアハイの26勝をマークし、今年は10日現在で12勝。4月20日からの2回東京開催ではトップの菅原明騎手の105鞍に次ぐ、102鞍に騎乗と着実に信頼を集めています。 「どこかで開催リーディングを取りたいと思っているので、今週固めて勝って、勢いをつけたいです。あと、先月落馬をしてしまい、無事に帰ってくることの大切を改めて感じたので、周りの邪魔をせず、制裁点をこれ以上増やさずに、フェアプレー賞を取りたいです」 安全第一を前提に、新たな騎乗スタイルの確立を図りながら、結果と信頼を積み重ねる。ステップアップのために、足元をしっかりと見つめる24歳の今後の活躍に注目です。【桑原幹久】