【未知なるフィリピン美食新時代③】 ジャングルを抜けてたどり着く ネグロス島のファインダイニング
フィリピンの経済は、このところずっと右肩上がり。美食を求める人が国内にも増え、才能ある料理人が育つ一方で、在来の食材や食文化を継承しようというムーブメントも広がりつつあります。名家の家庭料理から、話題のファーム・トゥ・テーブル、VIP気分で味わうプライベートダイニング、最先端のファインダイニングまで、一挙ご紹介! 【画像】カニミソをたっぷり使った濃厚パスタ。
伝統的な家庭料理を歴史ある邸宅で
欧風の街並みが美しいシライ市の「カーサ・A・ガンボア」は、1939年に建てられたアメリカンコロニアルスタイルの邸宅。完全予約制のプライベートダイニングで、上質の家庭料理を味わうことができます。 裕福な砂糖農園主によって建てられたこの邸宅は、その娘であり食の研究者、著名なフードライターでもある、故ドリーン ガンボア フェルナンデスが暮らした場所でもあります。 「カーサ・A・ガンボア」は現在、ドリーンの義理の姉にあたるリン・ベサ・ガンボアさんから、その娘で著名なフーディーとしても知られるリーナ・ガンボアさんに受け継がれ、伝統的な家庭料理を提供するダイニング、ギャラリー、イベントスペースとして使われています。ダイニングでの料理内容や時間(朝食、昼食、夜で各1組限定)、予算は相談次第でアレンジ可能。 今回いただいたのは、ランチブッフェ。旨みたっぷりの地鶏のスープに、小イカにレモングラスを詰めた串焼き、ポークリブのグリルなど、いずれも親しみやすい家庭料理でありながら、ソフィスティケートされた逸品揃い。代々食べることが大好きなガンボア家の味が、この島の風土と食の豊かさを物語っています。 故ドリーン・ガンボア・フェルナンデスは、著書『Tikim, Essays on Philippine Food and Culture(ティキム、フィリピンの食と文化に関するエッセイ)』に、「食べ、味わうことは、とても親密な冒険であり、人間の経験を深く掘り下げる」と書いています。 その言葉通りの体験が叶う「カーサ・A・ガンボア」での食事。ネグロス島の家庭に根付いた料理の奥深さを知りたいなら、ぜひ旅程に組み込んでみてください。 カーサ A ガンボア Casa A. Gamboa