森から連れ出され、“人間と2匹の犬に育てられた”子鹿、ペットの生活に順応して話題に
もう野生には戻れない 飼い主の気持ちは複雑
少し成長した現在のミリーは、家族からの保護を求めることが減り、自立心が高まっているという。夜は野原で過ごし、犬たちに探しに行かせると、一緒に戻ってきて餌を食べるのが日課だ。 ホッパーさんが名前を呼んだり口笛を吹いたりしても、ミリーは戻って来るという。特にホッパーさんが朝早く出かけたときや、しばらく会えなかったときなどは、声や音を聞いた途端に、駆けつけてくるそうだ。 ミリーはチョコレート・ビスケットや犬用おやつも大好物で、ホッパーさんがおやつを持っていることがわかると、近づいておねだりするという。 ミリーを心から愛するホッパーさんだが、彼女が引き取られた経緯は、「決してあってはならないことだった」と話す。人間に見つけられたことで、本来は野生であるべきミリーの一生が変わってしまったからだ。 獣医師たちも、野生の世界では、たとえ置き去りにされてもやっていける者だけが生き残れるのだとBBCに説明。生まれたばかりの子鹿を見つけた場合は、そのままにしておくべきだとしている。
文:山川真智子