初心者こそIPO株がおすすめできる理由 プロが教える“セカンダリ投資”のコツ
リスクの大きい 「上場ゴール銘柄」に注意
「やさしいIPO株のはじめ方」などで企業情報をチェックするようになると、すぐ目に留まるのが株主構成。最初はどう見ればいいかわからないと思います。 まず注目すべきは、株主の中にベンチャーキャピタルが入っているかどうかです。具体的には、列挙されている株主名の中に知らない会社名があったら、検索してみましょう。ベンチャーキャピタルかどうかがすぐわかります。 ベンチャーキャピタルは、基本的には未上場の会社に投資して、上場によって利益を得るというビジネスをしています。つまり、上場後に株価が上がればそこで株式を売ってしまう可能性が高い。株主構成にベンチャーキャピタルがたくさん並んでいるような銘柄は、上場後に売られて値下がりするリスクが高いと考えましょう。 中には、創業者やベンチャーキャピタルが上場によって利益を得ることをもっぱら目的にしている「上場ゴール銘柄」の可能性もあり得ます。 逆に創業社長が大株主である会社は、経営判断や意思決定がスピーディーに行なえる有望な企業だと判断することもできます。しかも、事業を成功させて株価が上がることは経営者の利益にもつながる。一般の投資家と経営者の利害が完全一致しているわけで、プラスに評価できるポイントとなります。 値上がりを期待する以上、割安な銘柄を買うべきなのは当然。これについてはPERが40倍以下(理想は20倍以下)が基準です。PERは、純利益を株数で割った「1株当たりの純利益」に対して、株価がその何倍になっているかで割安・割高を判断するものです。理想は40倍以下、と言っていますが、できれば20倍以下としたほうが安全、というのが実感です。 ただし、私は最近、「やさしいIPO株のはじめ方」でPERが20倍を超えている銘柄を買ったことがあります。そのPERは今期の純利益予想から算出したものでした。一方、企業のサイトでは2025年の業績予想がすでに出ていて、それをもとにPERを計算すると7倍程度と非常に割安だったからです。慣れてきたら情報収集の範囲を広げていくことも大切です。
成功する投資とは 「面白い」投資である
最近、メディアでは「初心者であればとりあえずインデックス投資を」という意見が目立ちます。たしかに、時間も労力も限られている、知識もない、という人に勧める手法として悪くはありません。ただ、私が感じるのは「それじゃ面白くないな」ということ。有望な企業を見極め、その企業が成長し、株価に反映して利益が出る。これが投資の醍醐味です。 興味があって面白いことに熱中するからこそ成果が出る、というのは、仕事も同じでしょう。「面白いから投資がうまくいく」という視点も忘れないでほしいですし、その意味でもIPOセカンダリ投資をお勧めしたいのです。
テンバガー投資家X(個人投資家)