初心者こそIPO株がおすすめできる理由 プロが教える“セカンダリ投資”のコツ
投資歴21年のうち、最初の15年間の運用成績は(少しだけ)上がったり、(少しだけ)下がったりだったテンバガー投資家X氏。しかし、新規上場会社が初値をつけた後に行なう「IPOセカンダリ投資」を始めたことで、元手は一気に10倍に! 『THE21』2024年9月号にて、IPOセカンダリ投資の基本と具体的な銘柄の選び方を教えてもらった。 【図表】テンバガー投資家X氏考案の銘柄スクリーニング11カ条 ※本稿は、『THE21』2024年9月号掲載[「IPOセカンダリ」で10倍成長株を見つけよう! ]より、内容を一部抜粋・編集したものです。 ※本稿は2024年8月時点の情報に基づき、投資に対する著者の考え方を示したものであり、個別の金融商品を推奨するものではありません。金融商品の価値は状況によって変動しますので、購入の可否を含む投資の判断はご自身の責任で行なうようお願いいたします。
見るのは年100銘柄だけ。初心者こそIPO株を狙え
IPO(Initial Public Offering)とは、上場していない企業が証券取引所に新しく上場して、株を投資家に売り出すこと。この上場のタイミングで株式を買う投資手法がIPO投資と呼ばれます。 IPO投資は「9割は勝てる」と言われる非常に魅力のある手法です。上場に当たって決められる株価は公開価格と言いますが、普通は適正と考えられる価格から2~3割ほど安く設定されます。そのため、市場で最初につく株価(初値)は公開価格より高くなるのが普通。場合によっては公開価格の数倍の初値がつくこともあります。この時点で売るだけで簡単に利益が出せてしまう、ローリスク・ハイリターンの投資なのです。 当然、IPO投資はとても人気があるのですが、公開時に売り出される株数は限られており、証券会社が実施する抽選に当たるなど、限られた人しか手に入れることはできません。しかも、この抽選の倍率は非常に高く、なかなか当選しないのです。 私自身、人気銘柄の抽選にせっせと応募していましたが、結果は落選ばかりでした(笑)。 要するに、魅力的ではあるけれど、ごく限られた人しかチャンスをもらえないのがIPO投資なのです。 そんな中で私が出合ったのが、誰でもIPO銘柄に投資できる「IPOセカンダリ投資」。この手法を始めた2019年から5年で元手は9.5倍になり、昨年(23年)は100%のプラス(=2倍)を実現しています。 IPOセカンダリ投資は、上場した後のIPO銘柄を株式市場で買って投資する手法です。つまり、高倍率の抽選に当選しなくても、誰でもIPO銘柄に投資できるということ。 メリットは、それだけではありません。IPO時には、抽選で当たったとしても買えるのは金額にして数万円から数十万円分だけといったケースが普通です。一方、市場で株式を買うセカンダリ投資ならば、資金が許す限り投資できるわけです。 そして、上場後に投資するとしても、IPO株はやはり魅力的です。投資用語で株価が10倍になることを「テンバガー」と言います。IPO銘柄は、2002年以降、過半の年で3社に1社がテンバガーしており、2社に2社が達成した年も数回ありました。「大きく伸びる株を探すならIPO銘柄の中から」が効率的、ということです。 とはいえ、投資初心者の方にとっては、そもそも個別銘柄への投資自体、ハードルが高いでしょう。何から始めていいかわからない方も多いと思います。 そこでお勧めなのが、ごく短時間で簡単にできるIPO銘柄のチェックから始めること。 現在、日本の株式市場には4000近い企業が上場しています。一方、新規上場するIPO銘柄は年間90~100銘柄に過ぎません。有望で利益を狙いやすいIPO銘柄は、実は数が少なく、漏れなくチェックしやすいというメリットもあるのです。 月によって数にばらつきはありますが、平均で8銘柄ほどをチェックするのは、忙しい人でも難しくないはずです。