「六月病」はうつ病の入り口 「五月病」とは深刻さが違う 責任感や大人の付き合い…ため込んだストレスで「伸びきって戻らないバネ」に 早期発見には周囲の協力が重要
■周りが早く気付いて、入り口で引き留める
人形町メンタルクリニック 勝久寿院長:五月病は自分からSOSを出せる人も多いのですが、六月病は抱えてしまって、我慢し続けてしまっているので、周りが早く気付くことが大切です。六月病が進行してしまう前に、入り口の段階でいかに戻せるか、周囲のサポートが重要です。 六月病(入り口)の人の傾向として、下記のようなことが挙げられます。 *新しいことを嫌がる 余裕がないので変化を嫌がります。柔軟性がなくなり、新しいことを頼むと目に見えてイライラしたりします。 *細かくなる 不安が強いので、「これ以上、何かあっては大変だ。耐えられない」と思い、失敗しないために細かく確認をするようになります。自分自身も、他人に対しても、それまでと比べて細かくなります。 *ストレスから離れられなくなる 何かあったら大変だとの思いから、休日に会社に行ってしまったり、遅くまで会社に残るなどします。不安な気持ちからそのような行動になります。 *急に怒り出す いつもと同じように話しているのに、責められているようにとらえてしまう…何気ないことに対して、馬鹿にされた、嫌われたなど、悪い方に解釈してしまいます。そういう時は、「この人どうしたの?」と思うのではなく、「大丈夫?何かあったの?」と言ってあげることが大切です。 心の病気の場合、症状の重い軽いと、治りやすさとが、必ずしも比例するわけではありません。しかし、ストレスが過剰にかかっている状態で病気になる訳ですから、早く気付くことは重要なことです。ストレスが多い職場ほど、お互いが支えあうことが大切です。
■ストレス=悪ではない
人形町メンタルクリニック 勝久寿院長:心も筋肉と同じように、ちょうどいいストレスは強くなることが出来ます。社会生活を送っていると、楽しいこと、うれしいことだけではありません。適度なストレスを、段階的にかけて、筋トレのように徐々に心を鍛えていくことは、様々な経験を受け入れられるようになるために必要です。図太くなれることは大事なことなのです。