科学が教える「蚊よけ」のコツ 服の色からおすすめの虫よけ剤、蚊に好かれる人の原因まで
時間帯を選ぶ
蚊の発生は時間帯や季節によって異なるため、地域の蚊対策プログラムに問い合わせ、蚊が最も活発になる時期を知っておくとよいだろう(編注:日本では自治体が蚊の生息状況などを発表している)。 「蚊の種類や地域によって異なりますが、一般的に、蚊は夕暮れ時や明け方に活発になります。この時間帯の外出を避ければ、蚊に刺されるリスクを減らせます」と米アリゾナ州立大学准教授のシルビー・ハイベン氏はメール取材で語っている。ハイベン氏は蚊とその病原体の進化生物学を専門とする。
明るい色の服を着る
服装も蚊対策になる。白い服やカーキなどの明るい色の服は虫よけに役立つ可能性がある。なるべく肌を覆う服であればなおさらだ。 一方、蚊は明るい色より黒や紺、赤といった色に引き寄せられる。その理由については諸説ある。蚊は暗い色を見ると、自分たちが好む日陰の環境を思い浮かべるのかもしれない。また、赤については、人の肌のあらゆる色合いが、蚊の目には赤に見えているようだ。
ネットを使う
ネットも蚊よけに不可欠だ。フォンセカ氏によれば、蚊よけ加工した服と同様、殺虫剤処理した蚊帳は何度でも洗って使える。キャンプであればテントの周囲に蚊帳を張り、自宅であれば扉や窓に網戸を取り付けて、蚊の侵入を防ぐべきだ。
水源を排除する
蚊から自分の体を守るだけでは不十分。まず自分の周囲で蚊が増殖するのを防がなければならない。水がたまっていると、蚊が大量発生する可能性があるため、庭に長く水をためておくのは避けるべきだ。 「庭でよく蚊が繁殖する場所は、植木鉢の受け皿、バケツ、雨水タンク、おもちゃ、タイヤ、犬や子どものプールなどです」とハイベン氏は述べている。「しかし、蚊はどこでも繁殖する可能性があり、捨てられた便器からも発見されています!」 「こうした水源を排除できないこともあります」とハイベン氏は続ける。「そのような場合は、網を張ったり、カバーを掛けたり、必要であれば生物学的幼虫駆除剤を水に入れておいたりしましょう」 この夏をどのように過ごすにせよ、蚊との接触を減らす戦略を取り入れたい。蚊は数が多く、適応力も高いが、適切な対策を講じることで、刺されない、あるいは、少なくとも刺されにくい状態を保つことができる。
文=Becky Ferreira/訳=米井香織