竹中平蔵「TBS『報道特集』は全然報道やっていない」…いいね!を求めたテレビの末路「電波の数は減らせる」公共性はあるのか
「いいね」をとりにいったテレビのなれの果て
一方で先述の通り有限の電波を割り当てられている以上ジャーナリズム精神と公共性を本来は失ってはいけません。ジャーナリズム精神というのは権力にも媚びないし、大衆にも媚びないことです。ところが今のメディアではそれこそ面白おかしく誰かを「ターゲット」に設定しては、「あいつは悪いヤツだ」と視聴者を煽っています。 本来大衆から独立していかなきゃいけないジャーナリズムを背負ったテレビが、大衆にすり寄っているのが現状です。昨今問題になっているようなテレビの報道姿勢は「いいね」をとりにいったテレビのなれの果てのように思えます。ジャーナリズムに「いいね」は必要ないのです。それは大衆に媚びているということですから。 今テレビは自らの役割を放棄しているのです。ただ「いいね」の数でいえば、テレビよりもSNSの方が多いでしょう。だから人々はテレビから離れていくのです。つまりテレビは自分で自分の首を絞めています。YouTubeと同じことしていたらYouTubeには勝てません。
ジャニーズ問題…テレビのジャーナリズムは崩壊している
テレビに必要なのは「独立」です。大衆からも権力からも距離を置く必要があります。昨今は明らかに大衆よりですが、一方でフェアに権力を監視しているかといえばそれも疑問を抱きます。テレビ局は総務省から電波を分け与えられている「利権団体」でもあるわけですから。政府にも大衆にも両方に媚びているように感じます。 それではアメリカだとどうでしょう。アメリカは日本の放送局に比べてもはっきりと政治スタンスを表明します。例えばFOXは共和党を支持していますし、それ以外は民主党を支持しています。これはある意味独立しているからできることです。政府、大衆と関係なく自分たちの判断、意見を言うことができている証であります。 ではなぜ日本のテレビは悲惨な状況に陥ってしまったのか。一つの問題としてあげられるのはメディアのクロスオーナーシップです。日本の民放キー局は基本的に新聞社の子会社です。つまりテレビは新聞と競争関係にありません。これはアメリカとの大きな違いです。 だからこそ起きたのがジャニーズ問題です。テレビ局と芸能事務所の癒着により、長年知っておきながら知らないふりをした性加害問題を、新聞も報じてこなかった。もし新聞にテレビとの利害関係がなければ大問題として扱う話でしょう。やはりテレビのジャーナリズムは崩壊しているのです。
【関連記事】
- 竹中平蔵「テレビ局から電波を取り上げてもいい」私の提言を完全無視したNHK・民放…「国民のニーズにあった電波の利用方法を」
- 竹中平蔵「日本のドラマよりも韓国ドラマの方が面白いのは当然」…私が“思わず自分の原点を見つめなおしてしまう”至極のアートとは
- 日本を救う!竹中平蔵“ドリーム内閣”最強布陣「河野官房長官、小泉幹事長、木原政調会長に、石破、平、小林の名も」…静岡知事選で期待する「ダークホース」とは
- 竹中平蔵「日本は弱者の保護を簡単に認めてしまう。それが国全体を弱くしている」…「最低賃金を引き上げる」ことの矛盾を突く
- 竹中平蔵、裏金問題のレッテル貼りに憤り「裏金ではなく不記載」…国民民主党の政策は「ほぼ意味ない」そして次の総理2候補実名あげる