竹中平蔵「TBS『報道特集』は全然報道やっていない」…いいね!を求めたテレビの末路「電波の数は減らせる」公共性はあるのか
11月17日投開票の兵庫県知事選で、パワハラ疑惑などをめぐり知事不信任決議を議決された斎藤元彦氏が返り咲きを果たした。序盤の劣勢を挽回した斎藤氏には「SNSの拡散で追い風が吹いた」「新聞・テレビというオールドメディアの報道に有権者が嫌気をさした」といった分析がなされている。そんな中で、11月30日にTBSで放送された「報道特集」が物議を醸している。司会の村瀬健介キャスターは、知事の疑惑を告発した後に亡くなった元県民局長に対する公益通報者保護について、斎藤知事から「人ごとのような回答しかありませんでした」と強く批判。「本当に恐ろしいことが起きている」とも述べた。しかしこの報道は本当にフェアなのか。そんな中で今度はフジテレビはPR会社社長宅に突撃取材し批判されている。一体なぜこんなことが起きているのか。経済学者の竹中平蔵氏が解説する。「果たしてそんなテレビ局が公共物である電波を渡すにふさわしいのでしょうか。電波の数は減らせる」。竹中氏が疑問に感じる理由とはーー。
TBS「報道特集」は全然報道やってない
兵庫県知事選などを巡り今、「オールドメディア」という言葉に注目が集まっています。オールドメディアという言葉自体は新聞やテレビなどを指す言葉として使われているようです。とくに最近では兵庫県知事選を扱ったTBSの報道特集に関して「偏っている」とSNSで話題になったり、フジテレビは話題となったPR会社社長宅に突撃取材を試みたことに視聴者から疑問があがったりしています。たしかに私も普段から「報道特集」は全然報道やってないように感じますし、フジテレビの自宅突撃取材は「本当に必要だったのか」と疑問に思うところがあります。 ただ「オールドメディア」という言葉自体には違和感を覚えます。本来「メディア」と「ジャーナリズム」というものは分けて考えなければなりません。実は通信と放送とはもともと別のものでした。放送は1対n(不特定多数)ですが、かつて通信(電話などは)1対1のものでした。だから通信には秘匿性が求められ、一方で放送には公共性が求められています。有限の電波を各テレビ局に割り当てている裏にはジャーナリズムの役割があるのです。 メディアというのは本来であれば通信です。ただ通信には公共性は必要ないです。私が電話で何を喋ろうとそこに公共性は必要ありません。今は通信も1対nになっていますが、インターネットメディアなどが「いいね」を獲得するために大谷翔平選手の愛犬の写真を紹介したとしても、それも問題はありません。
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