【40代、50代・更年期の不眠悩み】更年期には女性ホルモンだけでなく睡眠ホルモン(メラトニン)も減少することを知っていますか?
更年期女性に多い、不眠のお悩み。意外に知られていないが、更年期には女性ホルモンだけでなく、睡眠ホルモンのメラトニンも激減しているという。産婦人科医の吉形玲美さんに解説してもらった。
Q. 更年期世代ですが、眠りが浅く、いつも疲れている感じ。これも更年期症状?
A. 更年期女性の約半数が不眠の悩みを抱えています。女性ホルモンとともに睡眠ホルモンのメラトニンが減るためです。
メラトニンは10歳前をピークに分泌量が減り続ける。更年期の頃には若い頃の5分の1にも満たない量に。 「月経のある女性は月経前~月経期間によく眠くなります。女性ホルモンが眠りを誘う役目を果たしているからです。 それが更年期になって女性ホルモンが減ってしまうと、一気に『寝つけない』『眠りが浅い』『何度も目が覚める』という悩みが急増。他の症状と同じく、自律神経のバランスがとれなくなるのが原因です。でも実はそれ以外にも、40代以降に睡眠トラブルが増える大きな理由があります。それが睡眠ホルモンと呼ばれる『メラトニン』の減少。 メラトニンは体内時計に働きかけて覚醒と睡眠を切り替え、自然な眠りを誘う作用がありますが、10歳頃をピークに年齢とともにどんどん分泌量が減っていきます。60歳頃には分泌がほとんど停止。エストロゲン、メラトニン、自律神経の乱れと、トリプルパンチが更年期女性の睡眠を妨げてしまうのです。メラトニンのサプリメントなども試してみることをおすすめします」(吉形先生) 次回は更年期に気になる骨密度・骨質の低下と臓器の関係について教えてもらう。 【教えてくれたのは】 吉形玲美さん 産婦人科医、医学博士。浜松町ハマサイトクリニック特別顧問。大学病院で医療の最先端に立ち、女性医療・更年期医療のさまざまな臨床研究にも数多く携わる。女性予防医療を広めたいという思いから、現クリニックへ。更年期、妊活、月経不順など女性の体のホルモンマネジメントが得意。著書に『40代から始めよう! 閉経マネジメント』(講談社) グラフ/小柳東子 構成・原文/蓮見則子