SNSで知らずに応募 闇バイトの実態と企業の対策とは?【WBS】
全国各地で「闇バイト」を実行役にした強盗事件が相次いでいます。犯行グループは、実行役をSNSを通じて、犯罪行為であることを隠した上で勧誘しています。いわゆる闇バイトの募集です。こうした勧誘が一般的な求人サイトでも広がり始めているとして、大手企業は対策に乗り出しています。 全国で相次ぐ闇バイト強盗。実行役の多くは、X(旧Twitter)を通じて闇バイトに応募しています。捜査関係者によりますと、ある容疑者は「ホワイト案件とあるから大丈夫だと思った」と話しています。 実際に闇バイトとみられる求人に応募した女性に話を聞くことができました。高額バイトと検索し、ダイレクトメッセージを送ったところ、そのまま秘匿性の高い通信アプリ「テレグラム」に誘導されたといいます。
<闇バイトとみられる求人を出した人物と女性のやりとり> 「お金ほしいです。Xの投稿を見ました」(女性) 「ありがとうございます。いつまでにいくら必要とかってありますか?」 「5日までに20万返す必要があります。どんな仕事がありますか」(女性) 「消費者金融からの返済不要の借入の案件と慰謝料請求の案件ですね。電話できますか?」 女性は身分証の提示を拒否したため、ここでやり取りは終わりました。このようにSNSを通じてアルバイトの応募が手軽になっている半面、気づかないうちに犯罪に加担してしまう可能性もあります。
こうした状況を受けて、大手求人サイトも対策に乗り出しています。 「ディップ」では、インターネットやSNS上の求人データを学習した生成AIが不審な点を指摘。顧客が安心して求人に応募できるよう手助けします。また、求人を掲載した後にも闇バイトチェックAIを活用して審査をしています。犯罪や闇バイトに関する膨大なデータを学習した生成AIが求人内容をチェックし、異常に高い報酬やダイレクトメッセージでの募集など不審な点を数値化。問題があれば掲載を停止します。 ディップでは闇バイトとみられる求人の掲載は今のところ確認されていないといいます。人による審査に加えて、AIも活用することで、今後もチェックの精度を上げていきたい考えです。 「求人サイトには載せる情報への責任があるので、危ない求人が載らないようにする。合法であっても、危ないものが載らないようにするようやり続けている」(「ディップの進藤圭執行役員) ※ワールドビジネスサテライト