NTTの通信インフラ

「ユニバーサルサービス」としての固定電話とは、簡単に言えば、過疎地や不採算地域であるかどうかを問わず「固定電話」をインフラとして使えるようにすること。NTTはNTT法に基づいて固定電話の提供義務があるため、「ユニバーサルサービスとしての固定電話の、提供義務を持つ会社」だと言えます。 ちなみに、そのための通信インフラの整備に使われた資金の大元には「電話加入権」が挙げられます。NTTの固定電話の回線を引く際に必要な権利であり、この記事をお読みの方にも、かつて固定電話を設置する際に高額な権利の代金を支払った方もいるでしょう。電話加入権などを通じて集めた資金はインフラ整備に用いられており、総じて当時25兆円（現在の約40兆円相当）が費やされています。 とはいえ固定電話の需要が減った2024年現在でも、ユニバーサルサービスとしての固定電話が必要か否かは議論の対象になり得ます。『固定電話のIP網移行と、それに伴う混乱』が落ち着いたら、次は「ユニバーサルサービスとしての通信は携帯電話を中心に再設計すべきではないか」が論点になるかもしれません。