固定電話のIP網移行で「固定電話が使えなくなる」? 嘘の勧誘増加に要注意!
2025年1月までに転換が完了する「固定電話のIP網移行」。アナログ回線がIP網へと代わることを意味するものですが、この移行をきっかけに「固定電話が使えなくなる」といった誤った情報に基づく勧誘が増加しています。 【画像でわかる】電話回線の「アナログ戻し」の勧誘に要注意! 勧誘を受けた際の対処法は? この記事では、固定電話のIP網移行で実際のところ何が変わり、どのような点に注意すべきか、分かりやすく解説します。
固定電話のIP網移行とは?
固定電話のIP網移行は、従来のアナログ回線による電話網をIP網に置き換える取り組みで、その背景には従来の設備の老朽化や維持限界があります。なおIP網移行に伴って、NTTの固定電話は距離に依存することなく通話料金が一律化されています。 そして、この「IP網移行」に便乗し、各地では悪質な勧誘が増加しているのも事実です。 ■IP網によって「固定電話が使えなくなる」わけではない なお「IP網移行」によって、固定電話が使えなくなることはありません。現在使用している電話機や電話番号はそのまま利用可能で、新たな工事や手続きは必要ありません。
「固定電話が使えなくなる」嘘の勧誘が全国的に増加傾向
ここ最近、NTTや総務省などを騙り、IP網移行に便乗した悪質な勧誘が全国的に増加しています。典型的な手口としては ・「固定電話が使えなくなるので本日中に光回線の契約が必要」 ・「アナログ回線が使えなくなるのでデジタル電話への切り替え工事が必要」 などと偽って、不要なサービスや機器の契約を迫るというもの。 これらの勧誘は固定電話への営業電話などを介して行われることが多く、特に高齢者が狙われやすい傾向にあります。なお前述の通り、固定電話のIP網移行に伴って利用者側で特別な対応をする必要はありません。電話機そのものも、電話番号も変わることはありません。 この記事をお読みの方の親族の方などで「固定電話が使えなくなるのでは」と不安を感じている方がいらっしゃる場合は、利用者側での対応は不要である旨を伝えることもおすすめします。 ■不審に思ったら電話を切り、消費生活センターに相談 不審な勧誘を受けた場合、まずは冷静に対応することが重要です。勧誘の内容に疑問を感じたら、その場で判断せず、電話の場合はいったん電話を切りましょう。そして、家族や知人に相談したり、消費生活センターに問い合わせたりして、情報を確認することをおすすめします。 消費生活センターでは、このような悪質な勧誘に関する相談を受け付けており、適切なアドバイスを提供してくれます。また、NTTの公式ウェブサイトでもIP網移行に関する正確な情報が提供されていますので、そちらを確認するのも良いでしょう。 ■「ユニバーサルサービス」としての固定電話のあり方は議論が活発化 余談ではありますが、IP網移行に代表されるように「固定電話のあり方」が近年、大きく変わりつつあることは事実です。スマホがシニア層にも広く普及した結果、固定電話を自宅に置く家庭は激減しています。その結果「ユニバーサルサービスとしての固定電話」の価値を再考すべきではないか、とする声も強まりだしています。