ウィラー、2024年は増収増益、「推し活」ライブの移動需要で、乗車率と平均単価が上昇
2025年は採用・人材育成の強化、安全品質の底上げに注力
2025年の事業戦略では、採用・人材育成の強化と安全品質の底上げを進める。採用では、減少の一途の大型2種免許保有者を奪い合うのではなく、他業種からの成り手を増やしていく。平山氏は「バスはサービス業。運転が上手いだけでなく、サービス精神も必要」として、サービス業に従事している若い方への呼びかけを強化していく考え。その効果として、2024年のWILLER LABOの応募総数は472件にも及んだことから、2025年は採用活動の受け皿を増やしていく計画だ。 同時に、大型車経験者に向けて教育プログラムとして「LABO EXPERT」コースを設立。運転以外の接客技術を中心に教育を進めていく。こうした取り組みを通じて、パイロット30人の純増を目指す。さらに、高校生や外国人の採用にも取り組んでいく考えだ。 安全品質の底上げでは、独自開発した営業所業務システム「RootS」をバージョンアップ。従業員・車両の管理台帳機能に加えて、事故・故障、教育・指導、健康情報などの情報を一元管理し、安全管理の透明化と効率化を進めていく。 平山氏は、RootSの強みとして、情報のフォーマット化、情報同士の連携、組織全員による情報の共有を挙げたうえで、「運行管理者がパイロットに対して健康状態に応じた助言をすることができ、トラブルの原因分析から再発防止まで速やかに実行できる」と説明した。2025年からは、RootSを他運輸事業者向けに外販も強化していく。平山氏は「バス事業、物流事業、タクシー事業などを含めた運送事業全体で10%のシェアを取りたい」と意欲を示した。 平山氏は「バス事業者が抱える様々な課題に対して、課題解決のモデルを提示していきたい」と話したうえで、利用者と社会に優しい移動サービスの実現をビジョンとして掲げた。
トラベルボイス編集部