「自分ごとのようにつらい」けど共感はやめない たかみな31歳、インタビュアーとしての思いと15歳差の夫との生活
不登校、いじめ、非行……。生きづらさに悩む人に対峙するとき、たかみなはどのような心構えで臨んでいるのだろうか。 「事前準備をする際に、あまり深掘りしないようにと気をつけています。入れ込みすぎてしまうと、実際にお話しするとき、期待した言葉を引き出そうとする自分が出てきてしまうので。実際に対面してみて、その人の温度感をその場で測るほうがいい。心を閉ざしているときって、わかるんです。相手が触れられたくないことにあえて触れるのはどうかと思うし、現場ではライブ感、その場で生まれる空気感を楽しみたいと思っています。センシティブな話も多いので、なるべく話しやすい環境づくりをするのが、私の役目。聞く姿勢、相づちなどで、生み出せたらいいな、と思っています」 不遇な生い立ちや、つらい体験で深く傷ついている人たちとの会話に、インタビュアーとして苦しくなることもある。 「昔から共感型という自覚があるので、自分ごとのようにつらく感じてしまうことはあります。でも、やっぱり共感こそが大事だな、と。まず受け止めることで、相手も心を開いてくれるのを感じます。むやみに自分の意見を言うのではなく、空気感、表情で理解してもらえるように、特に難しいテーマの対談の時こそ、なるべく自分のメンタルを整えていこうと準備します。自分が元気じゃないと、受け止めきれないと思うんです」
「ギリギリのところをずっと走っていた」AKB48在籍時は心壊れそうに
AKB48に在籍していた当時は、メンバーからさまざまな相談を受けた。 「自分もプレーヤーの一人ですから、正直つらいときもある。そういうときに『相談したいんだけど』って言われても、きっとベストな状態で答えを返せないということがわかるので、例えばメールをもらったとしても、『ごめん、ちょっと私も落ち込んでいて……。1週間待ってくれるかな?』と返事をして、自分が元気に回復した状態で話をするようにしていました。できればメールではなく、きちんと会ったり、電話で話したりすることも心がけていました」 いくら元気印のリーダー・たかみなとはいえ、AKB48在籍時は、まだまだ本人も多感な年齢。ハードスケジュールのなか、自分の心も壊れてしまいそうになる瞬間が、何度もあったという。 「私の感覚的なものなんですが、ギリギリのところをずっと走っていたので、そこにギリギリな子が相談に来ると、もう爆発してしまうかもっていう。本能的に、いったん保留したり、時期をみて受け入れたりというバランスを取っているうちに、その方程式も見つかった気がします」