米中デカップリング時代の韓国経済――日本との類似点と相違点
Photo AC
日韓関係が急速に改善している。きっかけは、3月に尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が「半ば捨て身」の訪日を強行したことである。尹政権の外交戦略としては、5月のG7広島サミットで尹大統領が初来日し、それを起点に関係改善を加速させるプランが最も現実的な選択肢だったはずである。目下の懸案事項である元徴用工問題について国内世論が納得する出口を準備しないまま進めると、来年4月の総選挙に向けて逆風が強まりかねないからである。 現在、尹大統領の与党「国民の力」の議席数(定数300)は115に過ぎず、円滑な政策運営のため次回総選挙での過半数獲得は必須である。ところが、尹大統領は元徴用工に対する賠償責任を韓国政府傘下の財団に負わせる「解決策」を手土産に3月の訪日を決めた。国内では日本企業による賠償を求める声が燻っているにもかかわらず、である。
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武田淳