ナワリヌイ氏「謀殺説」をめぐる3つの謎
「プーチンがもっとも恐れる男」とも呼ばれたナワリナイ氏は、なぜ47歳という若さで突然死したのか(ナワリヌイ氏のブログより)
ロシアの反政権運動指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏が2月中旬、服役中だった同国北極圏の刑務所で急死した問題をめぐり、露国民の間で、ウラジーミル・プーチン独裁政権の責任を糾弾する追悼行動が不気味なうねりを見せている。大規模蜂起への燃え広がりを恐れる政権は厳戒態勢だ。 一方、ナワリヌイ氏の死を政権による謀殺と見る野党勢力の主張が正しいとすると、プーチン氏が5選を狙う3月15~17日の大統領選を目前に控え、情勢安定を最優先するはずの時期に、なぜ敢えて決行したのか。「プーチンがもっとも恐れる男」とも呼ばれたナワリナイ氏の47歳という年齢での突然死をめぐる、重大な3つの謎を検証する。 ナワリヌイ氏の葬儀は3月1日にモスクワ市内の寺院と墓地で営まれ、警官隊による威圧的な監視・警備態勢にも臆さず、数千人の市民が花束を抱えるなどして参列。正式の葬儀以前から、臨時の祭壇に長蛇の列で献花するといった追悼行動が各地で続いた。独立系人権団体「OVDインフォ」によると、葬儀当日の拘束者は19都市で少なくとも91人だった。ナワリヌイ氏の急死が明らかになった2月16日から24日までの間だけで、追悼行動などで当局に拘束された市民は全国39都市で計400人以上にのぼったという。
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古本朗