グレース・ブラウンが五輪との2冠で有終の美なるか 女王クロエ・ダイガート筆頭に前回上位ライダーが続々参戦で激戦必至!【Cycle*2024 UCI世界選手権大会 女子エリート個人タイムトライアル:プレビュー】
そこに立ちはだかるのが、昨年の女王クロエ・ダイガート(アメリカ)。パリ五輪ではこの種目の銅メダルを獲った後にトラック競技で金メダルをゲット。その後は活動をロードにシフトして今大会に合わせてきている。 五輪銀メダルのアンナ・ヘンダーソン(イギリス)は、その後レース数をセーブしながら今大会に向けて調整を進めてきた。パリではブラウンに1分以上の大差を許したが、今回はその差をどこまで縮められるだろうか。世界選手権では初の表彰台を目指す。
世界大会でコンスタントに上位を押さえるジュリエット・ラブース(フランス)も初の表彰台を視野に入れる。前回銅メダルのクリスティーナ・シュヴァインバーガー(オーストリア)は、前週行われたヨーロッパ選手権のこの種目で銅メダルを獲り、状態を上げてきている。
そのヨーロッパ選手権を勝ったのが、いまのウィメンズプロトンを引っ張っているロッテ・コペッキー(ベルギー)。このときは31.1kmの平坦コースで2位以下に40秒以上の差をつけて圧勝。トラックで培ったスピードと、レイアウト問わず対応するロードでの走りを考えると、チューリッヒのコースも問題なくこなせるだろう。パリ五輪以降はロードにフォーカスしており、目指すところはロード連覇だが、その前にTTで脚見せする。
選手層の厚さは群を抜くオランダは、スーパーエースのデミ・フォレリングと産休から完全復帰を果たしているエレン・ファンダイクで勝負。フォレリングはツール・ド・フランス ファムでのTTステージ快勝が印象的。世界大会でも確実に上位進出をしており、今回も当然メダル候補に挙がってくる。過去3度世界女王に輝いているファンダイクは、ヨーロッパ選手権2位でいよいよ最前線へ還ってきた。優勝争いに食い込んでくるようだと、その水準は一気に上がることとなる。
前回大会、パリ五輪それぞれの上位選手が大多数エントリーしており、誰かひとりが完全に抜け出すような展開とはならず、混戦になるものと思われる。10.4km地点の第1計測、20.5km地点の第2計測、そしてフィニッシュと、細かく変動するであろう上位争いから目が離せない。勝者には白地に5色の帯が施されたマイヨ・アルカンシエルが贈られ、向こう1年間同種目での着用資格を得る。
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