【NBA】ジミー・バトラーとヒートの関係が破綻、『脇役』への格下げに怒り「プレーする喜びを取り戻したい」
それを取り戻せるか? との問いに「多分無理だね」
ヒートは35歳になったジミー・バトラーが年齢から来る衰えを懸念して契約延長に消極的な姿勢を見せ、バトラーはそのことでプライドを傷付けられている。両者の契約は2026年オフまで残っているが、最終年はプレーヤーオプションで、今シーズン終了後にバトラーが望めば解除できる。その延長を巡る駆け引きは、2019年から続く関係を切り裂くことになった。 現地12月20日のサンダー戦を最後に、バトラーは足首の痛みと体調不良で年末の試合を欠場していたが、現地1月1日と2日のペリカンズとペイサーズの連戦に出場した。しかし、これはいろんな意味で彼とヒートにとってネガティブなものになった。 ペリカンズ戦を控えたメディア対応で移籍について問われたバトラーは、こう語っている。「正直に言えば、トレードされるかどうか、移籍するならどのチームに行くのか、誰がどんなコメントをしているのか、それは僕にコントロールできることじゃないから全部どうでもいい」 バトラー自身はヒートに残ることを望んでいるのか──。それに彼はこう答えた。「良い質問だ。僕は自分の置かれた立場でベストを尽くす。戦って、勝つだけさ。大きな騒ぎになっているけど、僕は全く気にならない。まあ、話題になるのは良いことだよ。欲しがられるならさらに良いね」 そこからの2日間、ペリカンズ戦とペイサーズ戦はバトラーにとって不完全燃焼なものだった。これまで『プレーオフ・ジミー』と呼ばれた勝負強さは発揮できず。正確にはその立場に置かれていなかった。オフェンスでプレーに絡む機会がこれまでより減り、コーナーで待機するように。それでもバトラーは常にアグレッシブにプレーしていたが、『もはやヒートの主役ではない』という印象を周囲に与えるパフォーマンスだった。 ペリカンズ戦はフィールドゴールを5本しか放たず9得点、ペイサーズ戦でも6本放って9得点。ヒートでの過去5シーズンで平均13を切ったことのないフィールドゴール試投数が今シーズンは10.8まで落ち込んでおり、この2試合ではさらに減った。シュートは水物ではあるが、普通なら10本でも少ないフィールドゴール試投数がさらに半減するのは不可解で、今はどうしてもトレードと結び付けて受け止められる。 ヒートを率いるエリック・スポールストラはブランクのあるバトラーにリズムを取り戻させるために、プレーメークを託したと言う。だが、2試合いずれも第4クォーターでバトラーをプレーさせなかった。そして、2試合を終えた後のバトラーは明らかに不機嫌だった。 「それが僕の役割かもしれないが、慣れてはいない。ルーキーから2年か3年はディフェンスを担当していて、相手に得点を許さないことに全力を尽くしていた。今それがまた僕の役割になっている。難しくはないよ。勝つためにやっていることだ。得点が9だろうが29だろうが、僕は戦う。出場時間が減ってシュートをあまり打たないから、僕が本気でプレーしていないと言う人が出てくるかもしれないけど、僕は常に一生懸命プレーしている」 そしてバトラーは「バスケをプレーする喜びを取り戻したい。ここではコート外では幸せだけど、コートで支配的な存在に戻りたい。思う存分プレーしてチームの勝利に貢献したい。今はそれができていない」と言い、その方法について「それが何であれ、すぐに分かる」と不穏な発言をした。それに続けて「コートに戻れば喜びを取り戻せるだろうか?」と問われると、「おそらく無理だね」と答えている。 『ESPN』は、バトラーとライリーの関係はすでに破綻しており、バトラーの代理人とヒートのオーナーが話し合いを持ったが、両者の見解が一致することはなかったと報じている。