「新NISAなんてやるんじゃなかった…」老後資金不足で投資を始めた年金月13万円・元会社員65歳がスマホを握りしめ「後悔に震えた」ワケ【FPの助言】
投資に正解はない!あなたに合った投資法を見つける努力を
徳太郎さんは永瀬さんの説明を聞いて、投資に対する見方が大きく変わりました。特に、積立投資と一括投資の特性について新たな視点を得ることができました。 「これまで新NISAで投資していれば大丈夫だと思っていましたが、実はそうとも限らないんですね。自分の性格や資金状況、資金の目的などをよく考えて選ぶ必要があるということがよくわかりました」 永瀬さんからの助言を参考に、徳太郎さんは自分の投資戦略を下記の通り見直すことにしました。 1.アクティブ型投資信託の売却 徳太郎さんは、アクティブ型投資信託を数回に分けて売却しました。幸いにも、10万円ほどの利益が出て、胸をなでおろしました。 2.新NISAの活用 新NISAの制度上、売却して空いた枠を使えるのは翌年以降というルールがあります。そこで、徳太郎さんは未使用で今年まだ使うことのできる「つみたて投資枠」の残枠について、バランス型の投資信託で積立設定することとしました。 3.資金の分散 売却して得た資金は、以下のように分散することにしました。 ●日常生活費や緊急時用の資金:預貯金 ●10年程度以内に必要な特定目的の資金(車の買い替えや家のメンテナンス等):低リスクの商品(預貯金や個人向国債) ●長期投資可能な老後資金:自分の性格を勘案して、大きなリターンは犠牲にしつつバランス型投資信託での積立投資 4.継続的な学習と相談 投資についての知識を深めるため、定期的に勉強会に参加することにしました。
後悔から学ぶ、シニアのための賢明な投資戦略
今回のことを通して、徳太郎さんは、「The biggest reward is not the money,but the peace of mind.」という格言を思い出していました。お金は確かに重要ですが、それ以上に心の安らぎや満足感が人生の質を高めるという意味です。 徳太郎さんの経験が教えてくれるのは、投資には「正解」がないということ。そして、自分自身の生活設計やリスク許容度に合わせて、柔軟に戦略を立てることの大切さです。 最後に、徳太郎さんは笑顔でこう語りました。 「投資に回すお金を減らしたので、増えたとしてもそこまで大きな金額ではないかもしれません。それでも自分にはこれぐらいが合っています。いきなり360万円も投資に回そうとしたのは私には無茶だった。それに気づくことができました。その代わり、生活費を下げる努力をして、少しアルバイトも始めようと思っています。今では、毎日株価をチェックすることはなくなりました。精神的に余裕ができたので、趣味の園芸にも時間を使っています。植物が育つのを見るのは、投資以上にワクワクしますよ。これからは無理のない安定した運用をしていきます」 経済的な安定を得ることは重要ですが、それと同時に、自分の人生を楽しむことも忘れてはいけません。徳太郎さんの経験が、多くのシニアの方々の心に響き、より安心で豊かな老後生活への道しるべとなることを願っています。 青山創星 ファイナンシャル・プランナー
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