妻・バービーと同じ目線で育児スタート…「パパ育休」を3ヵ月半取得して思ったこと
取っていなければ生活がうまくまわらなかった
育休期間に子育ての感動を体感できたことはもちろん幸せだったが、それだけではない。育休を取っていなかったら、生活がうまくまわらなかったとさえ感じている。 育休を取ったからこそ、産院に妻と一緒に入院でき、そのまま産後ケア施設にも滞在できた。そのおかげで、妻と同じ目線で育児をともにスタートできたのだ。オムツ替え、ミルク作り、沐浴など、育児の基本は全て産院で妻と一緒に教えてもらった。あの期間を24時間ともに過ごせたからこそ、自宅に戻ってきてからの生活リズムを構築しやすかったと感じている。 また、「もし毎日ワンオペでお世話をしていたら……」と考えると、自分たちにはできる自信がないかもしれない。もちろん、さまざまな事情でワンオペになる家庭があるのは承知だ。実際に子どもが生まれて、毎日24時間、一瞬たりとも気が抜けないことを身をもって感じている。 お手洗いに行くのも、書留の郵便を玄関で受け取ることもままならない。子どもが起きている間はもちろん、寝ている最中も、呼吸してるかな? エアコンの風があたりすぎていないか? 何かの拍子に顔が覆われていないか? など気になって仕方がない。僕は心配性なのでなおさらだ。これらを毎日一人でやるというのは、本当にすごいことだ。 僕も育休期間中に数日間だけ、赤ちゃんと二人きりになることがあった。一人で赤ちゃんのお世話をしていたら、ゆっくり食事やシャワーなんてもってのほかだ。子どもが眠りについたタイミングで、サッと何か(料理とは呼べないもの)を食べて、洗濯物を畳み、荒れた部屋を簡単に掃除する。愛犬とゆっくり戯れる時間はほんのわずか。もし、子どもにきょうだいがいたらその時間も確保できないかもしれない。
母乳をあげること以外は全て男性にもできる
「男性が育休を取ってもやることないでしょ?」と僕が育休を取る前に、悪気なく言ってきた人もいたが、全くそんなことはなかった。「母乳をあげること以外は全て男性にもできる」という表現をよく目にするが、まさにそのとおりで、やること、できることだらけだ。 男性が育休を取れず、女性がワンオペ状態で赤ちゃんのお世話をしている家庭が、僕の限られた交友関係の中でも複数存在する。 本来ならば身体の回復を優先しなければならない産後の女性が、食事もゆっくりとれずに、睡眠もままならないなんて状況は避けなければならない。大袈裟に聞こえるかもしれないが、夫婦や親子の関係構築うんぬんの前に、命の危険すらあるのではないかと思う。 特に、新生児期の子育ては、2人で手分けしても手が足りないくらいだ。授乳、オムツ替え、沐浴だけではない、名も無きタスクがあまりにも満載だ。2人で協力して初めて、親である自分自身とパートナーを大切にできる僅かな余裕を持つことができる。 親に少しの余裕もなければ、子どもの成長をまじまじと感じとることも難しいだろう。長い人生で今しかないこの瞬間を逃すことは、本当にもったいない。これは、母親だけでなく、父親にも平等に与えられた幸福期間だ。 ◇後編【育休中に金髪にしたら抗議が…バービーとの子を共に育てる僕が感じた「男性育休」への誤解】では引き続き、育休を取ったからこそできた経験や得た気づき、そして、男性育休について色々と考えるきっかけになったというInstagramのDMについても綴っていただきました。
つーたん(会社員)