史上最年少ファイナリストのサニブラウンはメダルを獲得できるのか
2015年の北京世界選手権は予選4組を20秒35(±0)の2着で通過するも、準決勝3組で20秒34(+0.8)の7着。「2年前の準決勝も9レーンでしたが、みんなに途中からガーンと行かれて、何もできなかった。タイムはあまり変わらないですけど、内容的にはマシな走り方ができたので、少しは成長したと思います」とサニブラウンは話す。今回は気象条件に恵まれず、タイムは出なかったものの、堂々の2着通過を果たしたのは、小さいどころか、大きな成長といえるだろう。 「レースのなかった昨日はほとんどベッドから動いていないですね。起きて、ご飯食べて、寝て、起きて、ご飯食べて、寝て。ちょっとストレッチして、また寝てみたいな感じなので。でも、そのおかげでカラダが休まったので、今日もしっかり寝て、明日の決勝に合わせていきたいです」と世界の注目度が増しても、マイペースぶりは変わらない。脚に違和感もあったというが、「特に気にせずやってきて、100m(準決勝のスタート)でバランスを崩して、負担がかかった感じはありました。ちょっと痛いなという気はしますが、止まるほどの痛みではありません。決勝まで行ったので、脚がもげてもゴールしようと思います」とファイナルでも攻めの走りを貫くつもりだ。 日本人選手が決勝に進出するのは2003年パリ大会で銅メダルを獲得した末続慎吾以来14年ぶりの快挙になるが、それ以上に世界を驚かせたものがあった。2年前の北京大会で世界選手権男子200mの史上最年少出場を果たしているサニブラウンは、今大会で18歳156日でのファイナル進出を決めており、ウサイン・ボルト(ジャマイカ)の18歳355日を抜き、男子200mの最年少決勝進出記録を塗り替えたのだ。 ボルトがラストランとなった世界選手権で、そのスーパースターを超えたサニブラウンは、「日本のエース」なんていうスケールの小さなものではなく、「陸上界のスーパースター」になる可能性を秘めている。 当時のボルトは決勝で最下位(8位)に終わっているが、サニブラウンは決勝進出を決めただけでは満足していない。 「最年少で決勝に出たところで、戦えないと意味がありません。行っただけでなく、戦えるようにもう一段階上げていきたいです。準決勝は後半に脚が少し流れているところがあったので、決勝ではラスト100mで脚をまわして、タイムを上げていければなと思っています」 サニブラウンの出場した2組だけが向かい風になったこともあり、ファイナル進出者のなかで準決勝のタイムは8番目。サニブランの自己ベストは20秒32にすぎないが、他の7名は全員が19秒7~9台のパーソナル記録を持つ。全員が明らかな格上になるものの、「世界記録の更新」を将来的なターゲットにしている18歳にとっては関係ない。