銀行から連絡が来るのはどんな時? 「1000万円」の貯金が連絡の基準になるのでしょうか?
マイホームの購入や、老後の生活費、万が一のための資金づくりなどを目的に、銀行口座にコツコツと貯金している人は少なくないでしょう。 できるだけ多くの金額を用意しておきたいものですが、実は銀行への預金額が1000万円を超えると銀行から連絡がくるといわれていることをご存じでしょうか? 今回は、なぜ預金額が「1000万円」を超えると銀行から連絡がくるのか、ということに加え、1000万円を超える預金が及ぼす影響を解説します。 ▼タンス預金していた現金を銀行に預ける場合、「税金」の支払いは発生するの?
貯金1000万円を超えると銀行から連絡が来る理由とは
預金が1000万円を超えたからといって、銀行から利用者へ通知する義務はありません。実は銀行から連絡が来るケースで多いのは、「営業」を目的としたものだといわれています。 一般的に1000万円以上の貯金があると「余裕資産がある」と見込まれ、預金や融資など金融商品を紹介する営業活動のために連絡がくるようです。 金融広報中央委員会による「(参考)家計の金融行動に関する世論調査[総世帯](令和5年)」では、金融資産を保有している世帯のうち、1000万円以上の金融資産を保有している、と答えたのは全体の39.2%、金融資産がない世帯も含めた場合、全体で28.0%でした。 ただし「預貯金」としての平均額は725万円であるため、貯金1000万円を超えている世帯はあまり多くないといえるでしょう。「1000万円」という金額が目安として挙げられている背景には、「ペイオフ」という預金保険制度があります。
ペイオフ(預金保険制度)とは
ペイオフとは「金融機関が破綻した場合、保険金を預金保険機構が直接預金者に支払うこと」と「金融機関が破綻した場合、預金等の一定額しか預金保険による保護の対象にならないこと(預金保険制度)」の2つの意味を持つ言葉です。 「預金保険制度」とは、普通預金など「元本1000万円までと破綻日までの利息等」が保護される制度です。対象の金融機関は、本店が日本国内の金融機関であり、海外支店や外国の銀行の在日支店は対象外となります。 万が一、預金口座の残高が1000万円以上ある銀行が破綻したら、1000万円を超える部分は保護対象外となる可能性があるため、残高が1000万円を超えると通知を送る銀行もあるようです。 以上の理由から「1000万円を超えると銀行から連絡が来る」といわれるようになったとされています。