横浜の「大さん橋」にフィルム型ペロブスカイト太陽電池、マクニカらが実証実験
マクニカは2024年11月13日、横浜市にある「大さん橋デッキ」において、フィルム型ペロブスカイト太陽電池の実用化に向けた実証実験を開始したと発表した。ペロブスカイト太陽電池の実用化に向けた課題の一つである耐久性と容易な交換を可能とする着脱方法を検証するもので、環境省の補助事業の一環として実施する。 ペロブスカイト太陽電池は、軽量かつ柔軟に製造可能という特徴を持ち、ビルの壁面や耐荷重の小さい屋根、あるいは車体などの曲面といった、さまざまな場所に設置できる次世代太陽電池として注目を集めている。 今回マクニカが行う実証は、環境省の「地域共創・セクター横断型カーボンニュートラル技術開発・実証事業」に採択されたプロジェクトの一環であり、マクニカは2023年度から3年間の計画で技術開発と実証に取り組んでいる。同事業は桐蔭横浜大学の宮坂力特任教授の指導の下、マクニカが代表事業者として、共同実施者であるペクセル・テクノロジーズ、麗光との3社で推進している。 2023年度は重塩害環境下でのペロブスカイト太陽電池モジュールの開発を進め、大さん橋における実証では発電効率10%以上を達成。塩害調査と併せて稼働システムの実証を行った。2024年度はモジュールのさらなる高効率化と容量の拡大対応を進めると同時に、量産化を実現するロール・ツー・ロール生産方式(RtoR方式)でのモジュールの製造技術開発を進めている。 今回の大さん橋実証では、RtoR方式にて製造したモジュールで非常用電源向け規模のシステムを構築し、海風の強い重塩害環境である大さん橋デッキ上にて、屋外での発電システムの稼働実証を行うもの。30×100cmサイズのモジュールを最終的に80枚程設置する計画で、総容量は1kW程度となる見込みだ。 また、モジュールは開発を進めている数種類を設置し、実用化を見越したシステム構成の検証と実証も同時に行う、フィルム形態のモジュールの交換可能な装着方法の検証も併せて実施する計画だ。なお、実証期間は2024年11月12日から2025年1月31日 までを予定している。
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