Xで一番「バズった」都知事選候補は石丸氏ではなかった!? 動画で躍進した石丸氏、自民や立民も見習うべき?【データ・インサイト】
▽ユーチューブは石丸氏の「独壇場」 石丸氏が躍進した要因としてユーチューブ動画の拡散が挙げられている。鳥海教授の調査によると、確かに公式チャンネル視聴数は石丸氏の「独壇場」だ。7月4日時点で累積400万回を超える再生数を誇り、他の4候補とは桁違いだった。 次いで多いのは安野氏の40万回超。AIやデジタル技術を活用した政策を動画で訴えた。自身の公約を学習したアバター(分身)の「AIあんの」を作り、ユーチューブの生配信で24時間質問を受け付けて回答するなどの取り組みを行った。3位は蓮舫氏の21万回、次が小池氏の11万回。田母神氏は5万回だった。 ▽候補者ごとに異なったSNSの主戦場 SNSによって結果が違うのは、候補者の戦略が一因かもしれない。 都知事選のSNS戦略を分析した「ネットコミュニケーション研究所」の中村佳美代表によると、候補者によってSNSの活用の仕方は異なったそうだ。
小池氏はX、写真共有アプリのインスタグラム、若年層に人気のTikTokなどを活用した。動画では「AIゆりこ」を公開し、2期8年の実績や公約をアピール。また短い動画で、自宅を公開したり、自身にまつわるエピソードを紹介したりした。 蓮舫氏はXとインスタグラムを積極的に利用。愛犬との写真や自宅からのライブ動画を通じて自然体の姿を有権者に届けた。鮮やかなデザインで、政策や主張を記載した画像を投稿していたことも特徴だという。 一方、石丸氏はXでの投稿数は1日2~3回と控えめで、ユーチューブを主戦場とした。すでに述べた通り、公式アカウント動画の再生数は石丸氏の独り勝ちだった。 ただ、石丸氏の動画拡散は、公式アカウントにとどまらない。中村氏は「支持者らによる応援アカウントが、石丸氏の発言などを短く編集した切り抜き動画が拡散した」と語る。 研究所のデータを見ると、石丸氏のユーチューブにおけるバズり具合は目を見張るものがある。選挙期間中の石丸氏に関連する動画の再生数は1日当たり約1千万回に上った。