プリンス時代の2代目「グロリア」を14年前に入手! 購入後に判明したニュージーランド仕様の逆輸入車のポイントとは?
右ハンドルだから気づかれにくい!? じつは逆輸入車だった
ホンダと日産の経営統合が話題になっていますが、歴史をさかのぼると1966年8月1日に日産は当時のプリンス自動車工業と合併し、今に至る日産自動車が誕生しました。日産を代表する「グロリア」や「スカイライン」は、もともとはプリンスによるもの。そんなプリンス時代の希少な「グロリア」を所有するオーナーに話を聞くと、まさかの海外仕様車とのこと。右ハンドルだけど逆輸入車!? その素性に迫りました。 【画像】右ハンドルの逆輸入車!? ニュージーランド仕様のプリンス「グロリア」を見る(19枚)
ネット検索で発見した逆輸入車の2代目グロリア
鮮やかなスカイブルーのボディが、重厚感とはほど遠い爽やかなイメージを漂わせ、肥前浜の駅舎前に佇む姿は、令和のものとは思えないノスタルジーな雰囲気だった。 「高校生の頃にナイキのワッフルトレーナーやコルテッツに興味を持ち、そこから古着やオモチャなど、古い時代の商品に興味を持ったことが旧車への憧れのきっかけでした」 2024年9月22日に佐賀県鹿島市浜町のJR九州肥前浜駅前で開催された「オールドカーIN肥前浜駅」に参加した有森健太さんがプリンス「グロリア」を入手したのは、今から14年ほど前にさかのぼる。雑誌で見て「カッコいい! 欲しい!」と直感したこの2代目グロリア。当時でもすでに現存する個体は少なく、インターネットを駆使して、グロリアの情報を検索しまくっていた時に、たまたま見つけた車両だった。 「日本のクルマ屋さんの投稿だったのですが、最初は逆輸入車であることに気づいていませんでした。しっかりと調べてみると、その時点ではまだ海外にある個人車両で、どうやら現地のオーナーさんから希望者があれば売ってくれる、という話だったのです。僕はこの2代目が欲しかったので、海外仕様であることには特にこだわりはなかったのです(笑)」
各部に国内仕様との違いを発見
有森さんが海外仕様であると気づいたのは、購入することを決意し、正式に注文してしばらく時間が経ってからのことだったそう。車名は「プリンスB200」で、もともとはニュージーランドに輸出された車両だったことが判明。ハンドルの位置が日本と同様の右ハンドルのため、国内仕様との判別ができなかったのだ。 細部を確認すると、このニュージーランド仕様と国内仕様ではやはり一部が異なる。たとえばハンドルの色が国内は白であるのに対し、こちらは黒。ウインカーは国内が赤だが、こちらはアンバーになっている。 また、ボディサイドにモールが装着されているはずだが、この車両には無し。フェンダーミラーの装着位置も異なっているが、これに関してはこの位置が海外仕様なのか、それとも歴代オーナーによるカスタマイズで移設されたものなのか? また、ボディカラーも当時のままなのかどうか? この2点は判別不明とのこと。 「購入してから今まで、大きなトラブルは出ていないですね。苦労したのはガソリンタンクのサビ落としでしたが、単純にタンクが大きくて作業が大変でした。1960年代特有のアメリカ車のようなデザインはやはりカッコいいですよね! ずっと大切にしていきます」
酒寄俊幸(SAKAYORI Toshiyuki/gasgraphix)