初期宇宙の巨大なブラックホールは予想以上に多かった? ハッブルの観測データを分析
分析の結果、研究チームはこれまでの研究で報告されていたよりも多くの超大質量ブラックホールが初期宇宙に存在していたことを突き止めました。冒頭の画像で示された活動銀河核は今回の研究で見つかった超大質量ブラックホールの証拠の一例で、約104億年前(赤方偏移z=2)の宇宙に存在していたとみられています。 超大質量ブラックホールは約138億年前のビッグバンから10億年と経たない時期にはすでに幾つかの銀河に存在していたと考えられていますが、初期の宇宙でこれほど質量の大きなブラックホールが形成されたプロセスはまだはっきりとはわかっていません。 ハッブル宇宙望遠鏡による新たな観測結果からは、その一部について、宇宙の最初期にだけ存在した非常に大質量の初代星(ファーストスター)がビッグバンから10億年以内に崩壊することで誕生したブラックホールが“種”となることで形成された可能性が示唆されるといいます。 超大質量ブラックホールに成長する“種”となるブラックホールの誕生については、この他にもガス雲の直接崩壊による形成といった可能性が挙げられています。今回の研究で示された初期宇宙のブラックホール形成に関する新たな情報は、より正確な銀河形成モデルの構築につながると期待されています。 冒頭の画像はSTScIをはじめ、NASAやESAから2024年9月17日付で公開されています。また、研究チームの成果をまとめた論文はThe Astrophysical Journal Lettersに掲載されています。 Source STScI - NASA's Hubble Finds More Black Holes than Expected in the Early Universe NASA - NASA's Hubble Finds More Black Holes than Expected in the Early Universe ESA/Hubble - Hubble finds more black holes than expected in the early Universe Hayes et al. - Glimmers in the Cosmic Dawn: A Census of the Youngest Supermassive Black Holes by Photometric Variability (The Astrophysical Journal Letters)
sorae編集部