「66万円おせち」に「叙々苑おせち」…早くもデパートでおせち商戦【WBS】
来年の正月の過ごし方について聞いたアンケートでは、自宅や実家などで過ごすと考える人はおよそ9割。おせちを購入すると考える人は6割を超えています。こうした消費者の旺盛な意欲を取り込もうと、猛暑のなかで早くもおせち商戦がスタート。百貨店各社がさまざまな戦略で、おせち需要の獲得を狙っています。 【動画】大丸・松坂屋が来年のおせち発表 テーマは「慶びのシェア」 東京・中央区にある松屋銀座。27日行われたのは来年のおせちの発表会です。今回特に力を入れているのが、節約志向の強い客を狙った“コスパ重視”のおせちです。素材を吟味しつつも、およそ半数の商品の価格を据え置きました。 「高価格帯だけでなく中価格帯、それ以下も含めて満足してもらえるような内容。客の予算に応じて、全ての価格帯で内容を充実させたおせちで戦っていきたい」(「松屋」食品部の柏木雄一部長) 実は松屋では2022年には高級ブランド「ブルガリ」が手がけるレストランと組んだ40万円のおせちを投入しましたが、コロナ禍で伸びた10万円以上の超高額のおせちの売り上げは減少傾向になっているといいます。 「予算に応じて今までおせちに縁がなかった人も、おせちを弊社で買っていただき、新たな客を獲得したい」(松屋 食品部 柏木雄一部長)
髙島屋は66万の高級おせち
同じく27日におせちの発表会を行った髙島屋では、今年の正月に被災した北陸の食材をふんだんに使ったおせちを発表しました。売り上げの一部は被災地に寄付されるといいます。 そして、今年の目玉商品は66万円の高級おせち。日本を代表する料亭「東京𠮷兆」が作るおせちは通常1段およそ15万円。3つの重箱は石川県の伝統工芸輪島塗で仕上げている代物で、高価格であっても高品質を求める層をターゲットにします。 さらに、従来のおせちにも高級商品を追加しました。 「『よりどり彩りおせち』といって、消費の二極化と言われているので、予算に応じて好きなものだけのオリジナルおせちが作れる」(「髙島屋」食料品部バイヤーの天笠亜佑子さん) 1400円の栗きんとんなど好みやコスパを意識して具材を自由に選べるおせち。3年前に登場しましたが、今年は新たに4800円の「からすみ」や1万800円の「キャビア」など高級食材を追加。コスパ重視の人から豪華なおせちを楽しみたい人まで、二極化するニーズに対応しました。 「やはり商品の価格自体は上がっている印象はあるが、一方でハレの日の消費への購買意欲は非常に強い」(髙島屋 食料品部バイヤー 天笠亜佑子さん)