広島・長崎でも受賞を祝福…95歳の被爆者「平和を必死につかんで、離さないように守っていかなければ」
被爆地の広島と長崎では10日夜、被爆者らが授賞式のインターネット中継を見守り、受賞をともに祝った。 【動画】被団協、ノーベル平和賞を受賞
広島平和記念資料館(広島市中区)では、広島市主催の祝賀式典が開かれ、約300人が大型プロジェクターの画面を眺めていた。
15歳の時に爆心地から約2キロの広島市街地で被爆した切明(きりあけ)千枝子さん(95)(広島市安佐南区)は「95年間生きているうちに何度戦争があったことか」としみじみと振り返り、「受賞は栄誉なことだけれど、喜んでばかりはいられない。平和を必死につかんで、離さないように守っていかなければ」と語った。
長崎市役所でも、多くの被爆者らが集まった。
授賞式には被団協代表委員で、構成団体の長崎原爆被災者協議会(被災協)会長の田中重光さん(84)も登壇。被災協理事の城台美弥子さん(85)(長崎市)は「被爆者の苦しみや平和への思いを背負って授賞式の場に立っている田中さんたちの姿を見るととても感慨深い。まだまだ原爆のことを世界に伝えるため、頑張らなければと改めて感じた」と話した。