50代、専業主婦から起業家へ。社会スキルや資格がないなか、やってきたこと
人生100年時代。稼いでいくスキルをもち続けるために、人生後半戦はどのようにしたらいいのでしょうか? 長年の専業主婦から、45歳で正社員、その後起業したというのは、トップブロガーである中道あんさん(60代)。経験やスキルがなくても起業をした経緯と、私たちが今後どのようにして稼ぐスキルを考えたらいいのか、そのヒントについて語ってくれました。
経験やスキルがなくても、50代で起業できた
この記事を読んでいるみなさんも、もしかしたら自らの老後問題をリアルに感じているかもしれません。そして、これからの人生は、自分が苦手なことを無理して続けるより、自分の好きなことや得意なことで社会に役立っていきたいと考えている方も多くいるはず。 私は、シニア世代を目前に起業を決意したわけですが、それまでは大の苦手だった事務の仕事にしか就いたことがありません。高校を卒業して初めて社会人になったときも、専業主婦の後、37歳でパート勤務を始め、45歳で正社員として雇っていただいたときも事務職でした。苦手だと思いつつ、なんの学歴も資格もない私がお給料をいただくには、この道しかないと思っていたのです。 若い頃、社会に出る前に真剣に自分と向き合い、就活していれば、と悔やんでも後の祭り。父親のコネで入社し、親には大変迷惑をかけました。父は私にはなにも言いませんでしたが、母から聞いた話では、社会人としての立ち振る舞いがなっていない私に対して、当時の上司から監督不行き届きのお叱りを受けていたそうです。(お父ちゃんごめんなさい!) そんな、ダメダメな私でも起業できました。 それは苦手を手放し、好きなことに舵をきったからにすぎません。もうひとつ言うと、“この道しかない”ではなく、“この道ではない”と、気づけたことが人生をきり開くカギになりました。
自分らしさを棚卸しして、資産を見つける
昭和生まれ世代は、俗に忍耐力があると言われますが、その半面、自己犠牲に甘んじているとも取れます。つまり手放しベタだということ。世は平成から令和になり、AIが著しく進化して、これまで人がやっていた仕事も奪われつつあります。労働力がなくても産業は回っていく時代です。 でも自分という存在はAIにはつくり出せません。ということは、“自分らしさ”を売りにする時代がやってきたということなのです。だからこそ、これからはだれもがみな、自分らしくない道ではなく、自分が得意なことで社会に打って出てほしい。 では、そのためになにをすべきかというと、まずは、生まれてからこれまでの人生を棚卸しする必要があります。 この“棚卸し”の目的は、人生において無意識のうちに抱えてしまっている負債を手放すこと。そしてじつはちゃんと蓄えている自分の資産を掘り起こすことです。 ここでいう「資産」や「負債」とは、直接お金に結びつくものだけではありません。これからの人生に役立つものや得意なこと、笑顔になれる好きなことや、明日へのエネルギーとなる好奇心のタネなどが「資産」だとしたら、ストレスを抱えてしまうような環境や人間関係、自分の可能性を摘んでしまうようなマイナスの思考や、健康を害するような悪しき習慣などは「負債」です。
今からでも目標設定してみよう
人生100年時代、制約や我慢だけで生きていくには長すぎます。しかも、このインフレ時代に、貯蓄や資産がどんどん目減りするのを、不安を感じず見ていられるでしょうか。 より楽しく、より明るく60代からの黄金期を過ごすために、自分の中に眠っている資産を掘り起こして、攻めの姿勢で生きてみませんか。たとえば、“年金受給にプラスして10万円を稼げる自分になる!”を、目標に設定してみるのもいいかもしれません。 ええ? 10万円も? と思われるかもしれませんが、大丈夫。どんな人の中にもちゃんと「資産」はあるのですから。
ESSEonline編集部