米連銀総裁3人、利下げ継続可能と示唆-もう1人は据え置きに含み
(ブルームバーグ): 9月の米消費者物価指数(CPI)が市場予想を上回る伸びになったにもかかわらず、3人の米金融当局者は利下げ継続は可能との考えを示唆した。ただ、もう1人の当局者は次回の連邦公開市場委員会(FOMC)会合で金利据え置きを支持する可能性があるとした。
ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は10日、ニューヨーク州立大学ビンガムトン校での講演で「月ごとの変動はあるが、インフレ率はかなり着実に」低下しているとし、「この傾向は今後も続くと私はみている」と述べた。
同総裁はその上で、「この先、金融政策スタンスを時間をかけてより中立的にするプロセスを続けることが適切になるだろう」と語った。
シカゴ連銀のグールズビー総裁はCNBCとのインタビューで、インフレの大幅な減速がここ1年から1年半の「全体的なトレンド」であることは明らかだと発言。リッチモンド連銀のバーキン総裁も、インフレは「間違いなく正しい方向に向かっている」とバージニア州ノーフォークで開催されたイベントで話した。
一方、アトランタ連銀のボスティック総裁はウォールストリート・ジャーナル(WSJ)紙とのインタビューで、「データによってそれが適切と示されるのであれば、金利据え置きに全く抵抗はない」と語った。また、9月のFOMC会合後に公表された金利予測分布図(ドット・プロット)で、年内1回の0.25ポイント追加利下げを想定したと明らかにした。FOMC会合は年内にあと2回開かれる。
9月の米CPI統計では変動の大きい食品とエネルギーを除くコアCPIが2カ月連続で前月比0.3%上昇となり、鈍化傾向が止まった。ブルームバーグの算出によれば、コア指数は過去3カ月の年率では3.1%上昇と、5月以来の大きな伸びとなった。
さらに9月の雇用統計が堅調だったことから、この先数カ月、米金融当局に一段と緩やかな動きを求める声が強まる可能性が高い。9月のFOMC会合での0.5ポイント利下げは、インフレ鈍化傾向と労働市場軟化の兆候を受けたものだった。