米連銀総裁3人、利下げ継続可能と示唆-もう1人は据え置きに含み
ウルフ・リサーチのチーフエコノミスト、ステファニー・ロス氏はこうした状況を背景に、今後のデータ次第で一部当局者は利下げの一時停止を検討する可能性があると指摘する。
「今日のデータはこれまでのメッセージをそれほど変えるものではないと思う」とした上で、「われわれは毎回の会合で利下げが行われると予測しているが」、労働市場とインフレのデータが現在の傾向を維持するなら、利下げは「一回おきになる可能性もある」と同氏は説明した。
利下げの一時停止の検討を示唆したのはボスティック総裁だけだったものの、ウィリアムズ、バーキン両総裁もインフレとの闘いはまだ完全に終わったわけではないと慎重な姿勢を示した。
ウィリアムズ総裁は「2%の当局目標に達するには、依然として幾分距離があるが、確実に正しい方向に進んでいる」とし、「データは経済が均衡を取り戻しつつあることを示している」と語った。バーキン総裁はインフレとの闘いで「勝利宣言」をするつもりはないとコメントした。
グールズビー総裁は11月6、7両日に開かれる次回FOMC会合では次の動きを巡り議論が白熱するだろうと述べた。またこのところのFOMC会合は意見が拮抗(きっこう)しており、おそらく今後の会合も同様の展開になるとの見方を示した。
11月の米大統領選で共和党候補のトランプ前大統領はCPI統計を受けて、9月の大幅利下げの決定を非難した。デトロイトのエコノミック・クラブでの演説で、「連邦準備制度の利下げペースが少し速過ぎたというのが事実だ」と発言。「あまりにも大幅な利下げであり、選挙前の政治的な策略だったと誰もが承知している。彼らは間違ったことをした」と語った。
原題:Three Fed Officials Shrug Off CPI Report, Bostic Open to Pause(抜粋)
--取材協力:Craig Torres、Molly Smith、Hadriana Lowenkron.
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Catarina Saraiva, Amara Omeokwe