美人モデルボクサーが泣いた!高野人母美が引退危機を乗り越えて2年2か月ぶりの国内復帰を判定勝利で飾る
「日本のライセンスが切れて、アメリカでビザをとって、ロスを拠点に試合はメキシコでやっていました。元協栄のマネージャーからお話があって、もう一回日本でやってみようと決めるまで、1年の時間がかかりました。今回の試合の話もあり、じゃあ、挑戦をしてみようかなと。何もしないと終わったままです。チャンスがあるならなんでも挑戦する。荒波もくぐり抜けてきました。何もやらないよりも、まずやってみて、そこから考えてみようと」 高野が根底に抱くチャレンジ魂に火がついた。 練習拠点とする米国・ロスの「ワイルドカードジム」では、フレディ・ローチ・トレーナーが、5階級制覇王者、マニー・パッキャオ(フィリピン)のトレーナーという関係もあってトレーニングに合流する機会も得た。メキシコでは、女子の世界王者の自宅に居候して修行した。先日は、メキシコ・カンクンで行われたWBC総会にも、単身飛び入り参加して存在感をアピールしてきた。 「一人でアメリカでやってきて言葉の壁とか日本では経験できないような経験もしました。自宅に泥棒に入られたりメキシコでは目の前で人が車にはねられても誰も助けないという現実も見ました」 高野は逞しく強くなって帰ってきた。 今後は、4年前に一度、獲得に失敗した世界タイトルへの挑戦と共に世界のリングへの本格進出プランがある。 岡庭マネージャーは、「中国のプロモーターも興味を抱いてくれている。米国ラスベガスでできたらいいなあという話もある。緑ジムを拠点に、名古屋に女子ボクシングを広めていくと同時に、国内だけに留まらず海外へも活動の場を広げていきたい」と、海外への本格進出も視野に入れている考えを明らかにした。 だが、松尾会長は、「勝ったのはいいが、今日は、まるっきりボクシングになっていなかったね。彼女がこれから真剣にボクシングと向かい合ってやる気があるのならば全面協力するが、そうでなければ終わり。まだ判断がつきかねている。今後については、そのあたりを見極めていきながらだね」と、辛口だった。 今後、どの階級で戦うか、という問題もあるが、この日のボクシングではとうてい世界は語れない。「美」と「強さ」の両立を印象づけるインパクトが必要だろう。 高野自身も今後についての言及を避けた。 「今後の世界進出? アメリカのビザが3年あるのですが、ちょっと一回考えます。とにかく一人ですべてやってきて疲れています。努力しすぎた。がんばりすぎた。もうほんとに疲れたんです。ちょっと今は、ゆっくりと休ませてほしい」 髪の毛を金髪に染めてリングに上がった世界でも異彩を放つ美人のモデルボクサーは、この先、いったいどこへ向かうのだろうか。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)