ありがたい、裕志のコーチ就任…「昇竜」託された中日・井上一樹監督が語った故郷への思い、来季の目標、秋季キャンプの手応え
中日の井上一樹監督=鹿児島県霧島市出身、鹿児島商高卒=が20日、沖縄での秋季キャンプを終えた。期間中にキャンプの手応えや今季の意気込みなどを聞いた。 【写真】〈関連〉内野ノックを手伝いながら選手にげきを飛ばす中日の井上一樹監督=沖縄県北谷町
-県内高校出身の選手として初めてプロ野球の1軍監督になった。 「右も左も分からなかった自分が鹿児島を離れて35年。その間ほとんどプロ野球に携わり、指導については自負する部分はある。これまでお世話になった指導者や先輩、後輩などいろいろな人に感謝したい」 -低迷する中日の立て直しを託された。 「私が入団した星野仙一監督の頃のように鉄拳制裁のあった時代と今は違う。上から目線ではなく、選手をいろいろな角度から見たり、話をしたりすることが大事だ」 「優勝を狙うつもりでやるが、ホップもステップもなくジャンプはできない。まずは徐々に力つけてきたという部分を見せる年にする。控えめかもしれないが、Aクラスを目指す気持ちでいきたい」 -秋季キャンプのテーマと手応えは。 「『レギュラーを絶対取ってやる』などと口で言うが、そのレベルではない選手も多い。だからこそ己の体力のなさを知り、殻を破ってほしかった。それを教え込む意味でよくバットを振らせ、走らせた。きっと来年に生きてくると思う」
「コーチ陣が優秀で私はもっぱら監視役。特に元日本ハムの飯山裕志(れいめい高卒)に野手総合コーチに就いてもらったのは間違いのない判断だった。もっと薩摩同盟を増やしたかったが、裕志を呼べただけでも大きなこと」 -来季はどう戦う。 「本拠地のバンテリンドームナゴヤは本塁打が出にくいので、上位にいくには少ない好機を生かして地味に点を取っていく必要がある。守備にも重きを置く。投手と捕手の息が合ったバッテリーをつくっていきたい」 -育成ドラフトで鹿児島実高の井上剣也投手を指名した。 「映像でしか見ていないが(中日OBで鹿実投手コーチの)鹿島忠さんから情報はもらっている。運動神経がよく、潜在能力が高い選手。育ててみたい」 -鹿児島県民にひと言。 「今は衛星放送などで各球団の試合が見られる時代になった。急にファンになってくれとは言えないが『鹿児島出身の井上が今率いてるチーム』という風に興味を持ってもらえればうれしい」
◇ いのうえ・かずき 霧島市溝辺出身。鹿児島商高から中日に入団し、投手から野手へ転向し20年間プレーした。引退後は中日2軍監督などを歴任。今季はウエスタン・リーグで優勝争いを繰り広げた。53歳。
南日本新聞 | 鹿児島