売上高が54.6%増加した返品・試着マーケティングとは? 福田ECマネージャーに聞く「MAISON SPECIAL」の成功事例
ほかにも、「『MAISON SPECIAL』を知っているが、まだ購入したことがない」ブランドを知っているが、まだ購入したことはない」という新規のお客さまへの訴求も狙いでした。
└────────── PLAY PRODUCT STUDIOは、2023年のECサイトリプレイスと同時期に、Recustomerが提供する購入後体験プラットフォーム「Recustomer」の「返品キャンセル」「配送追跡」を導入。キャンペーンの実施はこのサービスの活用による。 ■ ロイヤルティの高い顧客、ライトな顧客層の双方から反響 キャンペーン実施期間の返品送料はすべてPLAY PRODUCT STUDIOが負担した。こうしたコストを差し引いても、顧客からの反響は大きく、顧客のなかでもロイヤルティの高い顧客からの反響が特に良かった。 「MAISON SPECIAL」は会員を「S」「A」「B」「C」の4つにランク分けしており、年間購入金額に応じて「メンバーランク」が上がる仕組みとしている。顧客にとっては、ランクが上がるほど獲得できる特典が多くなる。 キャンペーン効果の高さは、上述した売上アップだけでなく、セット率(※)を見てもわかる。 ※顧客1人あたりの平均購入点数
「MAISON SPECIAL」の平時のセット率は約1.3%となっている。返品無料キャンペーン期間中は、ランクが最も高い「S」の顧客において、「WOMAN」カテゴリーのセット率が3.6%、「MEN/UNISEX」カテゴリーのセット率が2.5%となり、ほかのランクの会員と比べても商品注文数が最も多かった。
「S」よりも下の会員ランクである「A」「B」「C」の会員メンバーでも、平時と比べるとセット率が高まっている。「MAISON SPECIAL」の場合、ランクが高ければ高いほど返品マーケティング実施時のセット率が上がりやすいようだ。当初の狙い通り、新規顧客からの注文もキャンペーン期間中は増えた。 ┌────────── キャンペーン中は、「どうせなら1回の注文で複数の商品を試したい」と考えるお客さまが多かったのではないかと思っています。購入のハードルを下げることができました。「S」の会員さまは特に、今まで試してこなかった系統の洋服や、購入するかどうか悩んでいた洋服をまとめ買いしてくださった印象があります。(福田氏) └──────────