新ポスティング制度で大谷移籍の例外ルールは設けられるのか?
ただ、やはり先月半ば、あるMLB関係者に聞くと、最高でも入札金が120万ドル(約1億3000万円)に満たない可能性があることについて「フェアではない部分はある」と認め、「話し合いの余地はある」とした。 具体的な方向性については言及しなかったものの、 「大谷に関しては、確かに状況が特殊なだけに、例外を設ける必要はあるかもしれない」と言葉を継いでいる。 少数派かもしれないが、すでに今年の25歳未満の海外選手の契約は、ほぼ終わっており、そうした点でも異議が出て、大谷を狙っているものの、30万ドル(約3300万円)の上限があるために不利な戦いを強いられるであろうカブスやドジャースなどが一緒になって声を上げれば、少しは状況が変わる可能性はあるのではないか。そこでは当然、日本側の交渉力も求められよう。 一方で、25歳未満で、プロ6年未満の選手はマイナー契約しか結べず、総契約額に上限がある点については昨年の労使契約で決まったばかりでもあり、変更は望めそうにない。 その上限だが、今季から、インターナショナル・ボーナスプールは市場規模などによって、3つのグループに分けられ、Aグループは575万ドル(約6億3000万円)、Bグループは525万ドル(約5億7000万円)、Cグループは475万ドル(約5億2000万円)となっている。 原則、その規定額を超えて選手と契約出来ないが、自分たちに与えられた枠の75%までを他球団からトレードで獲得することができ、増額が可能。机上の計算では1006万ドル(約11億円)が最大となる。 しかしながら、すでに触れたように大谷と同じ条件の選手との契約は7月2日に解禁されており、ほとんどのチームが枠の大半を使ってしまっている。 では、各球団には大谷に使えるお金がいくら残っているのか。契約額に関しては、すべてが公表されず(ベネズエラなどでは本人、家族が誘拐など事件に巻き込まれる可能性があるため)、トレードで契約ボーナスの枠をいくら獲得したかも発表されないので、あくまでも推測の域を出ないが、以下に各チームの推定残額をまとめた。 ※ 表1 インターナショナル・ボーナスプール 残額