腐っていたのは山根前会長だけでなかった……日連幹部会見に見えた矛盾と嘘
内海氏は「近大に勝たせたくないわけ」「(勝たせたいのは)芦屋(大学)じゃないの、そのために会長が審判を集めている。おまえらなんのために集められたか知ってんのか?言っとかないとダメだよ。正しくやっちゃうといけない」など、関西リーグの試合で、近大を勝たせず、山根元会長の息のかかった芦屋大を勝たせる忖度のできるA級審判を関西に呼ぶなどの行為を山根元会長が行っていたことを示唆するような発言を行っている。一部の抜粋だが、そういう審判不正が横行している事情を内海氏が十分に理解していたような内容だった。 内海氏は経理の責任者であり、女子競技委員長の役職もあった。 ――隠蔽工作にかかわった人物を理事として残していいのか? 筆者が吉森専務に問うと、助成金の話について「批判されるものではある、情状の余地がある行為だと思うが申し訳ないことをした」と、謝罪することで、はぐらかした。 会長に辞任を求めた臨時理事会での内容についても吉森専務が明らかにしたが、それは、とても醜いものだった。「会長自らが1人で反社会的勢力の方との対応、問題解決のために一生懸命やられ、健康も害し、心痛していました。会長、どうぞ、そういう立場、健康を害する立場じゃないように楽になってください」 「会長が、お辞めになったほうが、今までの功績を汚すことなく、批判とかを乗り越えられるんじゃないですか」「辞めていただくことが名誉を守ること」「暴力団との関係があるようでは、世間の批判を浴び、このままでは東京五輪から除外される恐れもあります」 山根元会長のイエスマンだった人たちにしてみれば、こうヨイショをしながら辞任に持っていくしか手法がなかったのかもしれないが、「会長自身に直接、この点がおかしいんじゃないのか、という意見は一切ありませんでした」という。 ことの本質から離れた議論で会長に辞任を決意させたのだから、山根元会長が、その辞任会見で責任説明を行わなかったのも無理がなかったのかもしれない。「わしは何も悪くない」「(告発は)うそばっかりや」と、抵抗してきた山根元会長に、理事からも、問題点を指摘されていないのだから、そもそも説明する責任がわかっていないのだ。ようするに組織のガバナンスが機能していないのである。