ここが変だよプロ野球日程編成 不可解な連続カード、過密スケジュールが減ったとはいえ…
【球界こぼれ話】昨年11月に発表された2025年のプロ野球シーズン日程が取材現場でにわかに注目を集め始めている。 昨季はセ・パ各球団ともにシーズン序盤から偏向カードが続出。わずか10日間で同一カードが連続するなどしたため、選手やファンから「対戦相手が集中し過ぎではないか」と疑問の声が上がった。そんな周囲の声をもとに運営側も調整を試みたのだろう。今季の日程を見渡す限り、昨季のような不可解な連続カードや過密スケジュールは激減した感がある。この点については一定の評価をできる。 ただ、改めて精査するとまだ日程編成に関しては改善の余地があるような気がする。 例えば日本ハムの今季日程では同一カードが2週間ごとに同じ曜日に組まれる傾向が見受けられる。4月4~6日、同18~20日のオリックス戦。5月9~11日、同23~25日に予定される楽天戦などが典型例だ。いずれの対戦も「中1週」空いているとはいえ、全て週末に組まれている。これでは「中6日」で回る先発投手が同じローテーションで相対する可能性が高い。投手のマッチアップは勝敗を左右する重要な要素の一つ。同じ投手同士の対戦が続けば試合観戦の魅力も半減しかねないだけに、この点を改善できなかったのか。 また、日本ハムはシーズン佳境を迎える9月中旬から下旬にかけ「1試合だけのカード」が計6試合も点在する。これは各チームとの対戦数を調整するために組み込まれたものと推察できるが、こうした変則日程をシーズン終盤に集中させるなら、比較的日程に余裕があるシーズン序盤や中盤に3連戦を4連戦にすれば解消できたはずだ。 実際、チーム周辺でも「多少のバラつきは仕方がないとはいえ、今年もリーグ優勝やCS進出が決まるかもしれない終盤に移動日なしの長距離遠征(9月17、18日に予定される敵地での楽天、ソフトバンク戦など)が組まれている。おそらく何らかの理由があってのことでしょうが、このあたりは何とかならなかったのか」と首をひねる関係者が少なくない。 日程編成は各球団との調整が必要な最難関作業であることは言うまでもない。日程に携わる担当者の苦労や重圧も相当なものだ。それでもひと工夫あれば、より魅力的で周囲も納得するカード編成ができた可能性も否めない。ここ数年、物議を醸すプロ野球の日程。今季はプレーする選手やファンに受け入れてもらえるか。
広瀬真徳