地方公務員と国家公務員の生涯年収はどれくらいですか? 民間企業よりもかなり多いのでしょうか?
安定した収入が得られると人気の公務員。では、地方公務員と国家公務員では、収入に差はあるのでしょうか? また、一般的な会社員と比べ、どの程度の差があるのでしょうか? そこで今回は、国家公務員・地方公務員・会社員の生涯年収を比較します。 ▼「公務員は安定している」って本当? 定年退職の割合や退職金の平均額を教えて!
公務員の生涯年収
まずは、国家公務員と地方公務員の生涯年収をそれぞれ計算してみましょう。どちらも22歳大学卒業後に入職し、60歳の定年まで38年間働いたと仮定します。 国家公務員・地方公務員ともに段階的に定年年齢を上げており、令和6年度の時点で定年は61歳です。今回は、分かりやすくするために、すべて定年を60歳として考えます。 ◆国家公務員の生涯年収 国家公務員の生涯年収を確認しましょう。人事院の「令和5年国家公務員給与の実態」によると、国家公務員の中でもっとも一般的で職員数の多い「一般行政職」の俸給(基本給)は32万2487円、平均給与月額は40万4015円です。 平均給与月額とは、俸給と諸手当(超過勤務手当などの所定外給与と、実費弁償的な通勤手当などは除く)の合計額です。なお、令和5年の国家公務員のボーナスは、4.5ヶ月分となります。これらを基に、年収を計算すると表1のようになります。
※人事院「令和5年国家公務員給与の実態」を基に筆者作成 国家公務員の平均年収(超過勤務手当や通勤手当は除く)はおよそ630万円となります。残業代や通勤手当などは含まれない簡易的な計算ですが、22歳で大学卒業後60歳まで38年間勤務すると、630万円×38で生涯年収は2億3940万円です。 ◆地方公務員の生涯年収 地方公務員の年収も、同じように一般行政職で計算しましょう。総務省の「令和5年地方公務員給与実態調査結果等の概要」によると、全地方公共団体の平均給料月額(基本給)は31万5159円、国比較ベースの平均給与月額は35万8824円です。 地方公務員のボーナスは、地域によって額が異なりますが、ここでは国家公務員同様の4.5ヶ月分として計算し、年収を出すと表2のようになります。