2023年Q3、 ストリーミング 各社の加入者は増加。「サブスク疲れ」と対照的な成長の裏側
ストライキのおかげ
勘違いしないでもらいたいが、こうした収益性の向上は、主に脚本家と俳優のストライキが原因である。このストライキは、企画開発と制作の一時中止とコストの低下で、「学生ローンの凍結」に相当する状況、つまり何もできないがコストも生じない状況を作りだした。とはいえ、今回のストライキが実際にどのような影響をストリーミングサブスクリプション事業に与えるのかは、まだわからない。 制作の一時中止で、ストリーマー各社のプログラムラインナップが大幅に入れ替わるのはまだこれからだが、ディズニー+の「Ahsoka(スター・ウォーズ:アソーカ)」、Huluの「Only Murders in the Building(マーダーズ・イン・ビルディング、国内では Disney+ 内のスターで配信)」、Netflixの「One Piece(ワンピース)」は、いずれも第3四半期に新シーズンを公開している。 業界関係者がストライキのおかげで持続的にコストを抑えられているのではないかと考える企業の場合、コスト引き締めとストライキ後の制作停滞が組み合わさり、ストリーマーの新しいショーや映画のラインナップに悪影響を与える可能性があり、それはこの1、2年では終わらないだろう。 その間は、加入者の成長に勢いがついたかと思えば、また数字が下がるの繰り返しを続けることになる。なお、第3四半期にストリーミング事業を減益から増益に変えた唯一の企業(ワーナー・ブラザーズ・ディスカバリー)は、同時期に加入者数が減少した唯一の企業でもある。 [原文:Future of TV Briefing: Streaming subscriber growth re-accelerated in Q3 2023] Tim Peterson(翻訳:SI Japan、編集:分島翔平)
編集部