「こんな電車が走る世界に住みたい」「未来の列車」に反響 荷物棚に乗せたアレ「マイナスイオン出てそう」
未来の電車は、どんなものだったらうれしいですか? 阪急電鉄が一日限定で走らせた「未来の車両」が、Xで話題です。300万超表示されたその内装は、荷物棚にも驚きの活用が施され、「ギスギスした世の中が良くなりそう」などと話題になりました。制作者に話を聞きました。(withnews編集部・松川希実) 【画像】「未来列車」はこちら。「マイナスイオン出てそう」「ギスギスした世の中が良くなりそう」
「これがほんとのグリーン車」
話題になったのは、「タニー@南アフリカTANI LIFE」さん(@tanny_landscape)がXに投稿した画像です。 《阪急電車の中に植栽させていただいた。 こんな尖ったこと。させてくださった阪急電車さんにリスペクト。 これがほんとのグリーン車》 画像には、車両の荷物棚にずらりと、植物が並んでいます。大きな葉っぱも茂り、まるで植物園のようです。 この投稿に、「めっちゃ良い!こんな電車が走る世界に住みたい」「マイナスイオン出てそう」「車両でグリーンとお花を楽しむ心の余裕ができて、ギスギスした世の中が良くなりそう」などとコメントがつき、4万超のいいねがつきました。
1日限り、100人が体験
話題になった車両は、大阪・関西万博の開催1年前を記念して、阪急電鉄が4月13日に走らせた列車「EXPO TRAIN 阪急号」の1車両でした。 「列車全体を舞台に『過去』『現在』『未来』のタイムトラベル体験が味わえる体験型演劇」と銘打ち、車内の内装もその設定に合わせて模様替え。抽選で100人の乗客が、演劇や音楽、マルシェなどを楽しんだそうです。 その列車で「未来の車両」の一部だったのが、今回の「グリーン車」。手がけたのはタニーさん、こと大阪府池田市の植木屋、谷向(たにさき)俊樹さん(30歳)でした。 もともと、沿線の池田市が「植木の日本四大産地」として有名なことから、物販で参加予定だった谷向さん。そこへ「未来の車両の装飾に植物を使えないか」と演出担当の儀間建太さんから声がかかりました。
未来の大阪を走る電車は?
「未来の列車」というお題に、植木屋「緑向ガーデン」5代目を継ぐ谷向さんの腕が鳴りました。 「まだ見たことがないような植物の組み合わせができたらいいな」 大学時代、旅先のタイで見た風景。日本では室内でしか育たない観葉植物が、路上ですくすくと育ち、日本にない景色を作り出していました。 日本と海外、両方の造園を学びたいーー。感性にほれ込んだ造園師が暮らす南アフリカに渡り、弟子入りします。そこで2年半、広大なアフリカの大地でたくましく育つ、ユニークな植物を見てきました。 世界を知って考えた、谷向さんの「未来の大阪を走る電車」は、こうでした。 「地球温暖化で、今は室内でなければ育たない植物が外でも育っているはず」 頭に浮かんだのは「『風の谷のナウシカ』の地下室の感じ」でした。 飾る場所は、荷物棚の上の高さ20センチのスペースと限られていました。 そこに収まるように、葉につやがあるものや、ぷくっと肉厚なもの、色みや形がユニークなものを選びました。 ヤツデ、クロマツ、アスパラガス・ナナス、ユーフォルビア、オニヤブソテツ、アロエ、バニラなど20~30種類。