投資は決して「危険」でも「うまい話」でもない?金融のプロ「短期で儲けようとするのは投資ではなく投機です」
運用会社が倒産しても、あなたの資産は守られる 私たち運用会社の仕事は、信託銀行が預かっているお客様の運用資金を増やすため、株式などの金融商品を、いつ、どの銘柄を、どれだけ買うかを信託銀行に指図することなのです。 これを「指図権の行使」と言い、さわかみ投信を含む運用会社は、この指図権のみを有している会社ということになります。 購入した株についても、運用資金と同じように信託銀行に預けられます。 しかも、こうして預けられた運用資金や株については「分別」と言って、信託銀行の財産とは厳重に区別され保管されるのです。 イメージとしては銀行の貸金庫が近いと思います。 貸金庫のカギはお客様ご自身が持っていて、銀行側ではその中身には触れず本人のみがアクセスできる。 それと同じように、信託銀行に預けられた運用資金と株式は、指図権のある運用会社だけが動かせるというわけです。 そして万が一運用会社が倒産したり、信託銀行が破綻したりしても、株と運用資金はお客様に返却されることになっているのです。 指図する運用会社、または預かっていた信託銀行がなくなるだけで、株自体はそのまま存在するのです。 「預金は安全」「投資は危ない」とは一概に言えないことがわかると思います。 ※本稿は『50歳から成功する長期投資 65歳でプラス3000万円』(幻冬舎)の一部を再編集したものです。
澤上龍
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