チェルヴィニアがGI初制覇！（C）SANKEI

そんなステレンボッシュを負かして、オークスを制したのがチェルヴィニアである。 デビュー戦こそ2着に惜敗したが、その後はトントン拍子で2連勝。重賞初挑戦となったアルテミスSではスタートで出遅れたが、直線で鋭い末脚を見せて快勝。 良血馬サフィラらを寄せ付けないその走りに、鞍上のクリストフ・ルメールが高い評価を与えるほどだった。 だが、チェルヴィニアは2歳女王決定戦である阪神JFを左トモの不安で回避。 ここから歯車が狂ってしまい、3歳緒戦となった桜花賞はルメールの負傷で急遽バウルジャン・ムルザバエフと組んだことが影響したのか、中団から伸びずに13着大敗。 ステレンボッシュが桜の女王に輝くのをただ遠くで見つめることしかできなかった。 そんなチェルヴィニアが輝いたのはオークスだった。 ケガが癒えたルメールが鞍上に戻ると、直線では目を見張る伸びを見せて先に動いたステレンボッシュを交わして勝利を掴んだ。 数多くの名牝たちの手綱を取ってきた名手ルメールが惚れ込んだ素質の高さを証明する形となった。 ステレンボッシュ同様、チェルヴィニアも秋華賞が秋緒戦のレース。 体調面には抜かりなく、右回りは桜花賞以来となるが、鞍上のルメールは共同記者会見で「何でもできる馬」と評したように自在性もある。自慢の瞬発力を生かして、二冠制覇へ突き進む。

今年の秋華賞は桜花賞馬とオークス馬の一騎打ちという様相を呈しているが、彼女たちだけが主役というわけではない。その筆頭格はローズSを制したクイーンズウォークだ。 2歳王者グレナディアガーズの半妹という良血馬はデビュー3戦目のクイーンCで直線一気の末脚を繰り出して快勝。 クラシック候補として大きな注目を集めたが、桜花賞は直線で伸びずに8着止まり。 リベンジを期したオークスは早めに動いてステレンボッシュを捕まえに行ったが、もうひと伸びが足りずに4着。期待されたクラシック制覇はあと一歩のところですり抜けてしまった。 ひと夏を越え、迎えたローズS。ホープフルSで牡馬を撃破したレガレイラらの強豪メンバーが揃った一戦となったが、スタートから内に付けて中団で脚を溜めていくと、直線で豪快な末脚を発揮して快勝。 2000m戦でこそ本来の力を発揮できたように思えるほどの好内容だった。 京都芝2000mは内回りコースでトリッキーな舞台ではあるが、積極的に動いて行けるようなら女王2頭を捻じ伏せるだけの地力はあるはずだ。